【ボクシング】力石政法が世界前哨戦に2回KO勝ち「来年世界挑戦」と大橋会長がゴーサイン
<プロボクシング:フェニックスバトル123大会>◇17日◇東京・後楽園ホール◇日刊スポーツ新聞社後援 IBF世界スーパーフェザー級3位の力石政法(30=大橋)が、ジム移籍初戦の“世界前哨戦”をKO勝利で飾った。前フィリピン同級王者アルネル・バコナヘ(30=フィリピン)に2回2分38秒、左ボディーアッパーでKOした。 「倒したパンチもそれほど手応えはなかった。もう少しやりたかった。めっちゃアッパーを練習してきたので、顔面へのアッパーで倒したかった」と矢吹は物足りなそうな顔だったが、大橋会長は「左ボディーブローのカウンターはなかなか打てない。すごい勝ち方だった」と絶賛した。 3月に敵地でWBC同級シルバー王者マイケル・マグネッシ(イタリア)に12回KO勝ちを収めて、世界挑戦権獲得した。その後「世界王者になるためには大橋ジムに移籍することが最良の選択。日本で1番素晴らしい環境。そこで悔いなく挑戦したい」と、7月に所属していた名古屋のLUSH緑ジムから、横浜の大橋ジムに移籍した。 これまではトレーナーがいない中での練習も珍しくなかったが、移籍後はスタッフの万全サポートを受けている。「一番大きいのはスパーリングパートナーを呼んでもらえたこと。それまでは1人で出稽古に行ってたから。今は練習に行くのが楽しみ」と、充実した日々を送っている。 5日前の12日に兄の矢吹正道(LUSH緑)が前王者シベナティ・ノンシンガ(南アフリカ)を9回TKOで破り、IBF世界ライトフライ級王座を獲得。兄のセコンドに入った力石は「すごい刺激になった。僕も変な試合ができないと思った」と一段と気合が入ったという。一方、この日、リングサイドで弟の試合を観戦した矢吹は「試合内容はそこまでよくない」と厳しかった。 これで戦績は16勝(11KO)1敗。世界前哨戦を完勝でクリアして、大橋会長は「来年、世界をやります。準備をしています」とゴーサインを出した。「そんなに簡単に世界戦ができるクラスではないけど、いつでもできるように準備します。一発で必ず取ります」。力石の言葉に一段と力がこもった。【首藤正徳】 ◆力石政法(りきいし・まさのり) 本名・佐藤政法。1994年(平6)6月10日、三重県鈴鹿市生まれ。3歳からボクシングを始め、18歳から本格的に打ち込む。17年7月プロデビュー。22年5月東洋太平洋スーパーフェザー級王者、23年1月にWBOアジアパシフィック同級王座獲得。身長178センチの左ボクサーファイター。