大綱なき中国サッカーは「ペップでも救えない」…国内で活動の外国籍指導者らが厳しい見解
中国で活動するドイツ人スポーツコンサルタント、また中国でサッカー普及に携わったアメリカ人指導者が、中国サッカー界を「進歩していない」とした。台湾『自由時報』が伝える。 【写真】日本のサッカー普及に尽力したトム・バイヤー氏が中国戦圧勝にコメント 5日に行われた日本戦の0-7惨敗が国内外で注目され、同時に議論も呼んでいる中国代表。 中国のスポーツ産業に関する著書があり、中国国内に活動拠点も置くドイツ人スポーツコンサルタント、マーク・ドライヤー氏は、自身のSNSなどを通じて「0-7惨敗は中国サッカー界にとって史上最低の出来事」と位置付ける。 また、日本で青少年へのサッカー普及に尽力した有名なアメリカ人サッカー指導者、トム・バイヤー氏は、十数年前に中華人民共和国教育部(教育省)の招聘に応じ、中国国内のサッカー普及にも寄与した経験を持つ。 今なお精力的にアジア各国を回る“トムさん”も、中国サッカーに厳しい見解を寄せる。 「これまで見てきた中国チームの中で、最悪のパフォーマンスだったと言えます。理由は単純に、選手たちのスキルが十分ではありません」 バイヤー氏は中国代表について、“たとえジョゼップ・グアルディオラが指揮を執っても進歩しない”と簡潔に表現し、中国サッカー協会のかつての莫大な投資が成果を生まなかったと説明。 中国は2012年に習近平体制が発足後、「2050年までに中国をサッカー強国に」という旨の国家プロジェクトをスタートし、数億ドルを投じて世界的な選手や指導者を招聘した。 そして、広州恒大(現:広州FC/中国2部)がアジアで猛威を振るった時期も確かにあった。 しかしながらコロナパンデミックに陥り、またサッカー関係者の汚職摘発が相次いだこともあり、計画は事実上、途中で頓挫。バイヤー氏は「いま中国のサッカーがどうなっているのかよくわかりません。中国サッカー協会での同僚は投獄されました」と語っている。 一方、代表チームの強化策として、2019年から11人が中国に帰化も、これについては中国共産党の機関紙『環球時報』までもが「短絡的な勝利の追求。サッカー普及への扉を閉ざしている」と批判している状況。言葉を選ばなければ、中国サッカー界はブレすぎである。 ドライヤー氏が「帰化選手を置くことで、サッカーを巡る根深い問題からファンの気を紛らわそうとしている」と核心を突けば、バイヤー氏に至っては「習近平氏が『中国にW杯優勝を』と発言したことが最大の失敗」とも。 構造的な問題を抱えている様子の中国サッカー界。バイヤー氏は「まずはU-17W杯の出場を現実的な目標とするべきです。より多くのリソースと注目を、若い選手に向けることができます」と助言を送っている。
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