<柄本佑>吉高由里子の書き姿は「超紫式部」 「光る君へ」脚本・大石静と道長像に寄せる100%の信頼
「最初の打ち合わせのときに、新たな道長像を描きたいというふうなことを言われましたし、大石さんの台本の強度というか、大石さんの書かれる本を読んだときに、この『光る君へ』の中での道長はこういう人である、という説得力と、非常に高い強度を感じました。100パーセント信頼して、その本に描かれている道長像をやるってことを思って出発しているので、そこに関してはなんの疑いもないですし、いろいろな意見があることは僕はわりにいいことだなと思っています」
◇吉高“紫式部”のすごさ ちょっと気を抜いたらこっちがタジタジに
そんな柄本さんが、大石さんを含む、ドラマの制作チームの「覚悟」を感じたのが、まひろの懐妊にまつわる描写だ。ドラマでは、まひろの娘の父は道長で、まひろの夫・宣孝(佐々木蔵之介さん)は、事実を知った上で、その子(賢子)を自分の娘として育てようとした。
まひろが道長の子を身ごもるという展開について、柄本さんは「『やはりそうなのか』とは思いませんでした」と率直に明かす。
「けれど『そうなりそう』『そうなった』という段階は一応、現場で大石さんなり、制作統括の内田(ゆき)さんなり、風の便りを含めて聞いていたような気がします。いざそうなったときは、非常に大事なポイントだし、『まさかそんな』と思いながらも、このチームはそういう決断をするんだという、ある種の『覚悟』みたいなものを感じずにはいられなかったです。このチームがより好きになりましたし、この決断をしたチームに勇気をもらった気がします」
子ぼんのうな宣孝は第29回で他界。その後、まひろは、四条宮の女房たちに和歌を教えながら自作の物語を披露し、都中で話題に。やがて、道長に頼まれ、一条天皇(塩野瑛久さん)に献上するための物語を執筆するようになる。
紆余曲折ありつつ、「源氏物語」執筆へとたどり着いたまひろを演じる吉高さんの姿は、柄本さんから見て、いまや「めっちゃ紫式部、超紫式部」だとか。
「衣装の着こなしなんかも非常に美しいのですが、その扮装で座って、筆をとって書く、その書き姿のシルエットから何から、以前目にした紫式部の石像、まるっきりあれなんですよ。すごいなって思いますし、どんどん奥が深くなっていく感じがします。今後、まひろは本気で『源氏物語』に取り組むようになるのですが、そんな吉高さんの表情と目線との芝居のやりとりで、ちょっと気を抜いてしまったらこっちがタジタジになってしまうくらいの強さがある。すごいことになっている気がするので、楽しみにしていてください」