岡山・笠岡市沖で沈没の漁業取締船引き揚げ 水産庁 水深19メートルの海底から
5月に岡山県笠岡市沖で水産庁の漁業取締船「白鷺(しらさぎ)」(149トン)が座礁、沈没した事故で、同庁は10日、水深約19メートルの海底から船体をクレーンで海上に引き揚げた。当初は9日の予定だったが天候不順で延期した。 同庁によると、引き揚げは委託業者が午前9時過ぎから1時間程度かけて実施。その後、船内にたまった水抜きや損傷箇所の修理を行い、午後5時半過ぎに作業を終えた。事故では燃料の軽油が流れ出たが、引き揚げに伴う新たな流出は確認されなかったという。 船は11日夕、えい航して保管場所(非公表)に移動させる予定。 水島海上保安部は業務上過失往来危険の疑いでこれまでに乗組員への聞き取りを行ってきたが、今後は船体の状況を調査するなどしてさらに捜査を進める。 事故は5月21日午前に梶子島北側付近で発生。乗組員14人は全員救助され、けが人はなかった。