「猿の子をもらってきたかと…」おてんばな子猫 15歳で慢性腎不全に、22歳の今は「お世話は大変、それを上回るかわいさ」
ハイシニアの愛猫と過ごす1日1日を大切に噛みしめているのは、飼い主さくらさん(@tefu_tefu_cya)。小さな家族である「はるちゃん」は、なんと22歳。 【写真】若猫時代…お利口さんでしたが、とにかくお転婆な猫さんでした 慢性腎不全と上手く付き合いながら、のんびりとシニアライフを楽しんでいます。 ■地方紙の里親募集に応募したら“まさかの出会い”が! 出会いのきっかけは、地方紙に掲載されていた子猫の里親募集を見たこと。応募をし、お見合いすることになりましたが、当日、予期せぬハプニングが。対面予定だった子が風邪を引き、お見合いに来られなくなったのです。 ピンチヒッターとしてお見合いにやってきたのは、はるちゃん。飼い主さんは「これも運命」と思い、はるちゃんのトライアルを決意しました。 当時、はるちゃんは生後6ヶ月。猫用トイレもしっかり使ってくれるお利口さんでした。 「ただ、とにかくお転婆さん。猿の子をもらってきたのだろうか…と思いました(笑)」 寝ている時以外はアクティブに動き回る、はるちゃん。猫との暮らしが初めてだった飼い主さんは困惑し、里親さんに相談して大人しい性格の子と変えてもらおうかとも思ったそう。 しかし、トライアル最終日、膝の上に座り、嬉しそうに喉を鳴らすはるちゃんの姿を見て、心境が変化。 「その瞬間、『あ、この子はもう家族だ』と思い、引き取りを決めたんです」 ■15歳で「慢性腎不全」が発覚 人懐っこい性格のはるちゃんは順応性が高く、比較的早くお家での暮らしに慣れてくれたそう。当時、猫に関する知識が乏しかった飼い主さんははるちゃんの順応性の高さに助けられました。 一緒に暮らす中で、はるちゃんは細かいことは気にしない大らかな大人にゃんこに成長。基本的には甘えん坊ですが、自立した大人レディとして扱ってほしがることもあります。 「ひとりの時間も必要みたい。抱っこしようとしたら、「今じゃない!」と拒否されることがあります(笑)」 腎臓が何らかのダメージを受けて機能しなくなる「慢性腎不全」であることが分かったのは、15歳の頃。きっかけは、慢性腎不全が判明した猫ちゃんをSNSで見かけたことでした。 「その子が多飲多尿だったんです。そういえば、うちの子も多飲多尿の傾向がある…と思い、血液検査をして発覚しました」 慢性腎不全と上手く付き合っていくために飼い主さんが大切だと感じたのは、食事管理。現在は新しい食欲増進剤を試し、体重を落とさないように気をつけています。 「もちろん療養食も大事ですが、とにかく食べることも大切だと感じています。だから、ご飯に飽きないよう、トッピングをするなど工夫しているんです」 ■不安より共に過ごせる喜びが勝った「ハイシニア期」 とにかくストレスフリーを心掛けることが長生きの秘訣。愛猫の気持ちを尊重して、やりたいことをさせてあげたい。そう話す飼い主さんはスキンシップ時、優しい配慮をしています。 「はるちゃんは耳がほぼ聞こえてないので、触る時は必ず顔の前で手を振り、驚かせないようにしています」 また、踏み台を用意したり、トイレを一回り大きなものに変えたりして足腰にかかる負担を軽減。年を重ねると暑さや寒さに鈍くなるため、室温の管理も徹底しています。 以心伝心の仲だからこそ、はるちゃんは要求を大声で伝えることも。 「動きが鈍くなり、できないことが増えてきましたが、人間を呼べば何とかしてくれると理解しています。信頼してくれている…と感じ、愛おしい」 はるちゃんが18歳になった頃くらいから、「今年が最後かもしれない…」「介護が必要になった時に、ちゃんとお世話できるか」など様々な不安を感じてきたという飼い主さん。しかし、実際にハイシニア期を迎えた時に感じたのは、お世話の大変さを上回る喜びだったと言います。 「今も不安はありますし、お世話はたしかに大変だけれど、それを上回るかわいさがあるし、毎日楽しい。今、シニア猫のお世話をされていて不安を感じている方に、この未来を伝えたいです」 一緒にいられる日々には限りがある。だからこそ、あっという間に過ぎていく1日を大切に噛みしめる飼い主さん。その暮らしに触れると、愛猫の命との向き合い方を見つめ直したくもなります。 (愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
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