トランプ氏の早期停戦構想に「早く終結させるだけならウクライナの損失を意味」…ゼレンスキー氏が警戒感
【ブダペスト=酒井圭吾】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7日、ロシアによるウクライナ侵略を巡ってトランプ前米大統領が意欲を見せる早期の和平実現について「(侵略を)早く終結させるだけなら、ウクライナの損失を意味する」と警戒感を示した。ハンガリーの首都ブダペストで行われた「欧州政治共同体」(EPC)首脳会議の閉幕後の記者会見で述べた。
米大統領選で勝利したトランプ氏は、大統領になれば、「24時間以内に戦争を終結させる」と主張してきた。ロシアに占領された領土の割譲が条件に含まれる可能性も取りざたされていることから、ゼレンスキー氏は「早期終結ならウクライナが大幅な妥協を強いられる」と強調した。
ゼレンスキー氏は、露西部でウクライナ軍との戦闘に参加した北朝鮮兵に損害が出ているとの見方を示した。現時点で1万1000人の北朝鮮兵がロシアに派遣されているとも語った。
ゼレンスキー氏は7日、ブダペストで北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長と会談し、北朝鮮による対露支援を協議した。北朝鮮の派兵や武器供与に歯止めをかけるよう、外交手段による助力を要請したとみられる。