全領域異常解決室vsヒルコの行方は…放送前生配信イベントで福本莉子が大興奮の神話トーク<全領域異常解決室>
藤原竜也が主演を務めるドラマ「全領域異常解決室」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD)がクライマックスに突入! “不可解な異常事件”を解決していく新感覚ドラマの第9話が、12月11日にフジテレビ地上波で放送され、さらにFODでは同日に第10話(最終話)の先行配信が開始される。目前となる12月10日に生配信イベントが行われた。 【写真】福本莉子がイベント中にみせた笑顔ショット 不可解な異常事件を、世界最古の捜査機関“全領域異常解決室”、通称・全決(ぜんけつ)のメンバーが事件解決へと導くドラマ。「全領域異常解決室 9話放送&最終話先行配信 前夜祭SPライブ~豊ちゃんと学ぶ日本の神々~」と題した生配信イベントに出演したのは、豊玉妃花(とよたまひめか)役の福本莉子、ドラマに神話監修として携わる平藤喜久子(國學院大学神話学教授)、フジテレビアナウンサーの新美有加。配信ではドラマ制作の裏話や、平藤教授によるドラマ世界観の徹底解説が行われ、途中で配信視聴者からのコメントに応えたりと、マニアックかつディープな時間となった。 ■ドラマは神様同士の戦いへーー神様の正体をおさらい ミステリー要素満載の刑事ドラマでありながら、さまざまな八百万の神(やおよろずのかみ)が登場するという異色の本作。人間に宿った神様たちが、“ヒルコ”という謎の存在によって消されていく(神隠しに遭う)という異常事態は、どのようなエンディングを迎えるのかが気になるところだ。ここでは、本作に出てくる神々が、実際の日本神話ではどのような神様として描かれているのか、平藤によって解説された。 福本が演じる“豊ちゃん”こと豊玉妃花の正体は、水を自在に操る能力を持つ神【豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)】。「全決」の仲間で、一連の神隠し事件の犯行声明を出している謎の人物“ヒルコ”をおびき出すために別調査をしていたというキャラクター。【豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)】は海の神様であり、昔話「浦島太郎」に登場する乙姫のモデルとなった神様だと平藤が解説。また、父親が戦闘力の高い海の神様【綿津見神(わたつみのかみ)】ということから、彼女が強い設定となり、日本書紀ではワニ(サメ)の姿に変じるエピソードがあるため、カバンには常にサメのぬいぐるみのキーホルダーが付いているという裏話が明かされた。 福本は、「豊ちゃんはとにかく自由な人、私自身も自由に演じさせてもらいました。そして豊ちゃんはトレンドに敏感なキャラクターなので、ファッションが個性的だったり、今流行っているスイーツをいろいろ食べられてすごく楽しかったです」と役を演じたときのエピソードを笑顔で語る。 また、広瀬アリス演じる雨野小夢(あまのこゆめ)の正体は、【天宇受売命(あまのうずめのみこと)】という有名な女神で、迫田孝也演じる芹田正彦の正体【猿田毘古神(さるたびこのかみ)】と夫婦であるという神様の恋愛エピソードもドラマの設定に活かされている。そして藤原演じる興玉雅(おきたまみやび)の正体である【興玉神(おきたまのかみ)】は、【猿田毘古神(さるたびこのかみ)】が宿った岩が神格化した神様ということから、興玉と芹田は何百年もの間“腐れ縁”のような関係であると平藤が解説。そして福本は、「豊ちゃんは小夢っち(広瀬)という親友がいて、興玉さん(藤原)と付き合っていたという過去もあるけれど、小夢っちと興玉さんの恋を応援する優しさがある」と、自身の役に愛着が沸いた様子を語った。 さまざまな神様の特徴や由来について、平藤が丁寧に解説していくなかで、福本が「スマートフォンの待受を神様にするのがいいんじゃないか」という配信コメントに着目すると、一同大盛り上がり! 平藤は、「自分が何を望んでるか、今大事にしたいことは何かで神様を選ぶのもいい。例えば、小日向文世さん演じる宇喜之民生(うきのたみお)正体は【宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)】という農業や食物の神様。普段は【お稲荷さん】の名前で有名ですが、美味しいものを食べたいなと思ったときは、この神様を待受にするのもいいかもしれません」と提案し、これには福本も納得の様子だった。 ■あまり知られていない神様「ヒルコ」 そして配信では、一連の異常事件の犯人「ヒルコ」の由来となった神様にも言及。ヒルコは【伊邪那岐神(いざなぎ)】と【伊邪那美神(いざなみ)】の間に最初に生まれた子【水蛭子(ひるこ)】からきているとされている。つまりは、かの有名な神様【天照大神(あまてらすおおみかみ)】、【月読神(つきよみのかみ)】、【建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)】と兄弟。ただ、水蛭子は葦の船に乗せられて海に流されてしまったという不遇な人生をたどっていて、日本書紀にはわずかしか登場しないという謎に包まれた神様の一柱だ。 ドラマでは、すでに【月読神(つきよみのかみ)】は登場済み。第9話予告では【建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)】の存在が少し明かされた。やはりドラマの肝となるのは、より一層、ヒルコの正体の謎が気になるところ。 「これまで謎だった『ヒルコ』は何なのか。人なのか。神様なのか。今まで謎だったことがどんどん解禁されますし、本当に目が離せない第9話と第10話になっています。ぜひ最後まで届けていただけるとうれしいです!」と福本が魅力を語り、配信イベントは終了した。 ■「全決」の撮影中に起きた“神”エピソード! 配信イベントの後は、福本への囲み取材が行われた。ドラマの撮影を振り返って福本は「あっという間の3カ月でした。最初の頃は、一人での撮影シーンが多かったのと、豊ちゃんはミステリアスな女の子ということで、あまり多く語れなかったんですけど、第5話、第6話あたりから、『全決』の味方として、仲間として、藤原さんたち皆さんと撮影ができて楽しくて。今までありそうでなかった日本神話をテーマにしたドラマは、やっていてもおもしろかったです」と充実した様子を見せた。 撮影中のエピソードについて聞くと、「外の撮影が多かったのですが、天候に恵まれていました。雨が降っていても、いざ撮影となると雨が止んだりすることもありました」と、撮影中に起きた奇跡的なエピソードも明かした。また、神社仏閣巡りが好きだという福本。撮影中には共演者たちとこんな交流も。「芹ちゃん役の迫田さんと神社の話をよくしていました。『この神社いいよ!』って教えてもらったりいろいろ情報交換をしたり。実際撮影中に、その神社へ足を運んだりもしました。【豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)】の神社も、これを機に行ってみたいです」 神様を演じる共演者たちが集まる現場の様子については、「大先輩の方々もいらっしゃいましたが、そういうことを感じさせないくらい、フレンドリーにお話しさせていただきました。台本が上がると、もうそのことでみんなが盛り上がって、前室で皆さんと話すんです。みんなで作品を楽しみにしながら撮影していました」。また、「子どもの頃からずっとテレビで見ていた皆さんとお芝居ができてすごく勉強になりましたし、緊張もしました。本番になると皆さんスイッチが入って、本当にその神様に見える。間近でお芝居を見てすごく刺激になりました」と語った。 気になる物語の第9話、第10話についての見どころを聞くと、「全決VSヒルコということで、今まで謎だったことがどんどん明らかになる目が離せない9話、10話になっています。最後まで見届けていただけるとうれしいです」と福本。 そして最後に、劇中で身につけていたサメのぬいぐるみについても言及。このサメに名前がないことに気づいた福本が、この場で命名することに。平藤教授からのアドバイスで、【豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)】の子どもの名前【鸕鷀草葺不合(うがやふきあえず)】からとって「ウガちゃん」に決定して福本もうれしそうな笑顔を浮かべていた。 ■取材・文=高関聖子(アンチェイン)