2024年6月の住宅ローン金利(132銀行・1000商品)をランキングで比較!変動金利、10年固定、全期間固定の金利動向は?
2024年6月の住宅ローンの金利推移・動向(132銀行、1000商品)は、変動金利は据え置きで、10年固定金利、35年固定金利いずれもやや引き上げとなっています。フラット35(買取型)は1.850%に引き上がりました。なお、変動金利は史上最低金利を維持しています。 大手12銀行は、変動金利をいつ、どのくらい上昇させるのかをグラフ化!
住宅ローンの金利推移は?
まずは住宅ローン金利の、過去約40年分の長期的推移を見てみましょう。 1990年代前半のバブル崩壊以降、住宅ローン金利はほぼ一貫して下落してきました。当時は変動金利が8%以上という時期もありますが、現在は0.5%を切る低金利になっています。 全期間固定金利の「フラット35(2003年以前は住宅金融公庫)」の金利もほぼ一貫して下落してきましたが、日銀による異次元金融緩和の終了に伴って、近年は上昇傾向にあります。とはいえ、長期的に見ればなお低金利といえます。
変動金利は、auじぶん銀行がトップに!
では、諸費用などを加味した「実質金利」ベースで、本当に割安な住宅ローンを見ていきましょう(表面金利が低くても、諸費用が高ければ意味がありません。両者を合計したのが実質金利です)。 2024年6月の「変動金利(新規借入)」は、調査した主要14行の住宅ローン金利について、先月に引き続き、楽天銀行だけが金利を引き上げました。 変動金利はもっとも利用者が多く、金利競争の主戦場となっています。各銀行による金利の引き下げが続いており、現在も過去最低水準のままです。 以下は変動金利の上位銀行の「新規借入」金利(表面金利)の推移です。 1位、auじぶん銀行 年0.169%(前月比±0.000%)住宅ローン 全期間引下げプラン(新規借入、住宅ローン金利優遇割) 2位、SBI新生銀行 年0.290%(前月比±0.000%)住宅ローン 変動金利半年型タイプ 手数料定率型(新規借入)金利優遇キャンペーン 3位、住信SBIネット銀行 年0.298%(前月比±0.000%)住宅ローン 通期引下げプラン(新規借入、WEB申込コース) 3位、SBIマネープラザ 年0.298%(前月比±0.000%)住宅ローン・通期引下げプラン(住信SBIネット銀行の対面専用商品、新規借入) 5位、PayPay銀行 年0.315%(前月比±0.000%)住宅ローン 全期間引下げ(新規借入)頭金10%以上 ※SBIマネープラザの商品は住信SBIネット銀行の住宅ローン。SBIマネープラザの金利は物件価格80%以内で借入れの場合。物件価格80%超~100%以内で借入れの場合は、上記金利に年0.032%上乗せ。物件価格100%超で借入れの場合は、上記金利に年0.061%上乗せ 2024年6月の「変動金利(借り換え)」の実質金利ランキングについては、auじぶん銀行がトップとなりました。auじぶん銀行は、「住宅ローン金利優遇割」として、新規借入が0.169%、借り換えが0.148%という超低金利のキャンペーンを打ち出しており、表面金利においては他行の追随を許しません。 マイナス金利解除による変動金利への影響は? 2024年3月の日銀の金融政策決定会合で、マイナス金利政策が解除されました。これを受けて、一部の銀行は預金金利を引き上げており、とうとう住信SBIネット銀行、イオン銀行が短期プライムレートを引き上げると発表しました。ようやく住宅ローンの金利が上昇する準備が整いつつあるようです。 この1年間を見ると、20を超える金融機関が変動金利を引き下げてきました。いち早く金利を上げると取引が激減するおそれがあるため、なかなか金利を上げることができないように見えます。 なお、4月に短期プライムレートの利上げを発表した住信SBIネット銀行については、短期プライムレートを0.1%利上げし、住宅ローンの基準金利も同じく0.1%利上げしました。しかし、引き下げ幅を0.1%拡大したことで、新規取引の場合の適用金利は0.298%と変わりませんでした。 これだけを見ると、利上げの影響がないように見えますが、それはこれから住宅ローン借りる人だけの話です。既に住信SBIネット銀行にて住宅ローンを変動金利で借りている人は、引下げ幅は契約時に決まった金利のままなので、適用金利が上昇する可能性があるのです。つまり、新規のお客様は利上げがなかったのですが、既存のお客様は利上げとなるのです。このようなステルルの利上げが始まっているのです。 そもそも変動金利は、0.2~0.3%台の低金利が常態化しつつあります。今後は各社とも、行き過ぎた低金利を修正するという、地ならしのような動きがあるのではないでしょうか。 その上昇幅ですが、預金金利の上昇幅と連動する可能性が高いため、ここ数カ月においては、上昇しても0.1~0.2%程度に収まると考えています。 ただし、2024年末に向けて、日銀の利上げのペースにもよりますが、変動金利は0.5~0.8%を目指して上昇していくものと予想しています。 実質金利での変動金利はなお下落 では、実質金利での変動金利の推移を見てみましょう。 ここでは、主要15金融機関の「実質金利」の平均値を見ていきます。実質金利とは、諸費用などを加味した金利で、住宅ローンを比較する時に信頼できる指標の一つです。 変動金利は下落し続けています。日銀の金融政策が変更されて、今後どうなるか注目です。10年固定金利と全期間固定金利(フラット35を含む)の実質金利は、日銀の長期金利の引き上げ政策に伴い、すでに上昇局面にあります。 0.280% 紀陽銀行 0.295% みなと銀行、関西みらい銀行 0.320% 池田泉州銀行 0.325% 中国銀行 0.330% 横浜銀行 0.340% 埼玉りそな銀行 0.375% 中央ろうきん、阿波銀行 0.395% 武蔵野銀行 0.400% 山陰合同銀行 0.425% 百十四銀行 0.450% 秋田銀行 0.470% きらぼし銀行、北九州銀行 0.475% 宮崎銀行、南都銀行、西日本シティ銀行、肥後銀行 0.495% 大分銀行 0.500% 九州ろうきん、静岡銀行 0.525% 滋賀銀行 0.550% 愛知銀行、西京銀行、常陽銀行 0.575% トマト銀行、十六銀行、山口銀行 0.590% 福島銀行 0.600% JAバンク埼玉、筑波銀行、千葉銀行、三十三銀行、大東銀行 0.615% 東和銀行 0.625% 京葉銀行、足利銀行、大垣共立銀行、山梨中央銀行 0.650% 静岡ろうきん、中京銀行 0.675% スルガ銀行、もみじ銀行、神奈川銀行、但馬銀行 0.685% 近畿ろうきん 0.691% 愛媛銀行 0.725% 栃木銀行、福岡銀行、十八親和銀行、名古屋銀行、熊本銀行、群馬銀行、第四北越銀行、大光銀行 0.750% 清水銀行 0.775% 沖縄ろうきん、福岡中央銀行、千葉興業銀行、京都銀行、静岡中央銀行 0.800% 青森銀行、百五銀行 0.850% 鳥取銀行、岩手銀行、北日本銀行、豊和銀行 0.875% 七十七銀行 0.900% 新潟ろうきん 0.920% 長野銀行 0.925% 長野ろうきん、八十二銀行、香川銀行 0.950% 鹿児島銀行、宮崎太陽銀行、東邦銀行、東北銀行、北都銀行、南日本銀行 0.975% 富山銀行、佐賀共栄銀行、長崎銀行、北陸銀行 1.025% 四国銀行 1.070% 佐賀銀行 1.100% 富山第一銀行 1.175% 北海道銀行 1.250% 東京スター銀行 1.325% 北國銀行 1.375% 福井銀行 1.500% 北陸ろうきん 1.540% 東海ろうきん 2.475% 中国ろうきん、徳島大正銀行、四国ろうきん、仙台銀行、島根銀行、東日本銀行、東北ろうきん 2.675% 北海道ろうきん、北洋銀行 2.725% 広島銀行 2.925% 高知銀行、琉球銀行、沖縄銀行、きらやか銀行、沖縄海邦銀行 3.025% 福邦銀行 主要地銀等の表面金利ランキング(変動金利、新規借入) ※主要銀行除く、2024年6月