東京Vの新星・綱島の覚悟 夢のプレミアリーガーへ「一切妥協したくない」
【大西純一の真相・深層】最近、注目されているのが東京VのCB(センターバック)綱島悠斗(24)だ。今季序盤はベンチ入りできない試合もあったが、5月にボランチで出場機会をつかむと、8月からCBのポジションを確保し、J1残留に貢献した。1メートル88の長身と正確なフィード、身体能力の高さで、GK以外はどのポジションもこなす。昨年はFWとして出場したこともあった。 小学生の時に東京Vの下部組織に入り、ジュニアユース、ユースと昇格し、国士舘大を経て昨年、東京Vに入団した。昨季は主にボランチで34試合に出場し、2得点を挙げて16年ぶりのJ1昇格に貢献、2年目の今年はさらに活躍している。 急成長の要因を聞くと、「この1年間、成長に貪欲になっていて、いいタイミングでチャンスが巡ってきた。つかむための準備があったからこそで、この1年で貪欲に成長するぞという気持ちがあったから結果を残すことができた」という。成長したい気持ちが躍進につながったわけだ。 生活が全てサッカーに向いている。練習前の体のつくり方、練習後の体のつくり方、練習中の意識など細かくルーティンがある。ボランチとDFではさまざまな違いがあるが、ボールの置きどころ、体の向き、目線など細かく意識しているという。さらにメンタルの強化などにも取り組み、成長につなげている。 中学、高校時代はCB、国士舘大へ進学してボランチになった。DFは元々やっていたポジションだが、「いい意味でCBの方が楽にプレーできる。ボランチでいろいろ考えて、ハードワークした経験があるから、DFになって余裕を持ってプレーできている。ボランチの経験が生きている」という。ユーティリティーだからこそ言えることだろう。 そして、綱島には大きな夢がある。「プレミアリーグでプレーする」ことだ。「達成したいと本気で思っているから、大変だとは思っていない。プレミアでプレーすることから全て逆算している。一切妥協したくないし、もっとやらないとたどり着けないと思っている」と目を輝かせる。練習や生活だけでなく、すでに1カ月前から週2度、英会話の勉強も始めた。本気度は日に日に増すばかり。綱島の夢が実現するか注目だが、まずはJ1で残り2試合、結果を出す。