737MAX事故で減産、7四半期連続赤字=ボーイング24年1-3月期
ボーイングが現地時間4月24日に発表した2024年1-3月期(第1四半期)決算は、純損益が3億5500万ドル(約551億7000万円)の赤字(前年同期は4億2500万ドルの赤字)で、民間機部門で損失を計上したことにより7四半期連続の最終赤字となった。アラスカ航空(ASA/AS)が運航する737 MAX 9(737-9、登録記号N704AL)で、離陸直後にドアプラグが脱落する事故が今年1月に米ポートランドで起きたことによる納入減少や減産が影響した。 【写真】左後方のドアプラグが脱落したアラスカ航空の737 MAX 9の機内 売上高は8%減の165億6900万ドル、営業損益は8600万ドルの赤字(同1億4900万ドルの赤字)、年金や退職金給付の経費を除外した中核営業損益は3億8800万ドルの赤字(同4億4000万ドルの赤字)だった。 民間航空機部門は、売上高が31%減の46億5300万ドルで、営業損益は11億4300万ドルの赤字(同6億1500万ドルの赤字)。1-3月期の納入機数は前年同期比36%減の83機で、2四半期ぶりに前年同期を下回った。受注残は5600機以上で、金額ベースでは4480億ドル相当となった。 737 MAXは、アラスカ航空の737 MAX 9のドアプラグ脱落事故が1月5日に発生。ポートランド発オンタリオ行きAS1282便が離陸直後、後方左側のドアプラグが高度約1万6000フィート(約4876メートル)から脱落した。ボーイングは737の品質を改善する必要があることから、38機の月産レートを現在は減速させている。 1-3月期決算について、ボーイングのデビッド・カルフーン社長兼CEO(最高経営責任者)は「737の品質改善を進めるため、生産を減速させる当面の措置を反映したもの」と説明。1月の事故がボーイングにとって分水嶺となったことから、カルフーンCEOは今年末に辞任することを発表している。
Yusuke KOHASE