コービー・ブライアント氏と共にヘリコプター事故死の愛娘がWNBAドラフトで名誉指名を受ける
全米女子プロバスケットのWNBAは17日(日本時間18日)、ドラフト指名会議をWEBでキャシー・エンゲルバート・コミッショナーが読み上げる異例の形で行い、1月にヘリコプターの墜落事故で不慮の死を遂げたNBAの”レジェンド”コービー・ブライアント氏の当時13歳の次女、ジアナさんと、ヘリコプターに同乗していたチームメイトのアリッサ・アルトベリさん、ペイトン・チェスターさんの3人を名誉指名した。 ヤフースポーツは、コービー氏が生前、WNBAの成功に尽力してきたことを伝え、「コービー氏はWNBAや女子バスケットボールの最大の支援者の1人だった。ロサンゼルス郊外でのヘリコプター事故から約3カ月後の金曜日にコービー氏のレガシーがWNBAドラフトの中心になったのは当然のことだった」と、愛娘も含めて亡くなった3人のティーンエージャーが名誉指名された背景を説明した。 ジアナさんは、高校のバスケットボールチームに所属しており、父と共に大会へ参加する移動途中に事故にあった。 コービー氏が「彼女の素晴らしい動きには遺伝子を感じる」と絶賛するほどの才能があり、将来、WNBAでのプレーを目指していた。女子バスケットの名門のコネチカット大学への進学を計画していたという。 ドラフトの冒頭で追悼と3人の名誉指名が行われ、その後、ジアナさんの母で、ブライアント夫人であるバネッサさんが、オレンジ色のWNBAパーカーを着て登場して感謝のメッセージと娘の思い出を語った。 ロサンゼルスタイムズ紙によるとバネッサさんが着用した特大サイズのオレンジ色のパーカーは、昨年夏にWNBAのキャシー・エンゲルバート・コミッショナーからコービー氏に贈られたプレゼントだったという。 またWNBAは「Kobe and Gigi Bryant WNBA Advocacy Award」を設立したことを発表した。この表彰は、女子バスケットボールの認知、見識、進展に寄与した選手に贈られる。 追悼の後、サブリナ・イオネスクがWNBAドラフトで1位指名を受け、ニューヨーク・リバティーへ入団することになった。同紙によると、元オレゴン大学のスター選手(のイオネスク)は「コービー氏を“良き師”と呼び、また名誉指名を受けた3人の若い選手たちと一緒にトレーニングをして、その模範となっていた」という。 またWNBAのドラフト後、NBAのスーパースターのレイカーズのレブロン・ジェームズは、「WNBAドラフトを見ている!多くの女子選手たちの夢がかなっている。選手全員に敬意と祝福を!」とツイート。ネッツのケビン・デュラントも、全体のドラフト1位指名を受けたイオネスクをツイッターで祝福した。 ヤフースポーツは、「彼の努力は、死をもっても終わることはなかった。コービー氏の歩みに続き、数えきれないほどのNBA選手たちが、金曜日夜のドラフトで指名されたWNBAの新たな選手たちを祝うためソーシャルメディアに出てきた。コービー氏のおかげで女子バスケットはプロから下のレベルまでかつてないほど成長してきた。このスポーツにおける彼の影響は今後も長く感じられることになるだろう」と、コービー氏の功績を称えて、追悼の一文を寄せた。 WNBAは5月15日に開幕予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて延期となっている。