在宅中も「忍び込み」「居空き」に注意 低予算で始められる夏の防犯
お盆休みや夏休みに、感染症対策をした上で久しぶりに家族と遠出する人もいれば、外出を自粛しておうち時間を過ごす人もいるでしょう。そのどちらにも気を付けてほしいのが、毎年大型連休のタイミングで増加傾向にある「侵入窃盗」です。留守宅を狙う「空き巣」だけではなく、在宅の隙を狙った「居空き」「忍び込み」にも用心する必要があります。防犯アドバイザーの京師美佳(きょうしみか)氏に、今すぐ低予算で始められる防犯対策について伺いました。(Yahoo!ニュースVoice編集部)
侵入窃盗被害の現状
侵入窃盗犯の認知件数は年々減っていますが、2020年は全国で約44,000件と、決して少ない数ではありません。もっとも多いのは無人の留守宅を狙う「空き巣」という手口で、全体の約30%を占めています。 しかし、私たちが注意しなければならないのは、空き巣だけではありません。コロナ禍で在宅しているという場合にも、「忍び込み」「居空き」といった手口で被害を受ける可能性があるからです。 忍び込みとは、住人が寝ている夜間などに侵入・窃盗すること。そして居空きは、住人がご飯を食べているときやテレビを見ているときなど、わずかな隙を見計らって侵入・窃盗することです。どちらも在宅時を狙った犯行なので、万が一鉢合わせをしてしまった場合は命の危険もあります。 2020年の侵入窃盗認知件数を参照すると、空き巣の次に多く発生しているのが忍び込みで、なんと全体の約13%を占めています。居空きについては全体の約3%ですが、感染症対策で窓換気などを行っている現在、特に気を付けていきたい手口だといえます。在宅中でもしっかりと防犯対策をしていただくということが必要なのです。
今すぐ始められる空き巣対策
まずは、空き巣への対策についてお話しします。留守中も在宅に見せるという対策をすることが大切ですので、それを踏まえてやっていただきたいことが4つあります。 1つ目は、出先で撮影した内容を伝えるSNSをすべて事後報告にすること。「今、〇〇に旅行しています」「実家に帰省しています」などと書くと、留守だということをお知らせしていることになりますので、必ず「行ってきました」という事後報告にしてください。 2つ目は、留守番電話の応答メッセージを修正すること。通常は「ただいま留守にしています」という応答メッセージを設定してしまうと思いますが、これを「ただいま来客中です。後ほどかけ直しますので、連絡先をお願いします」という内容に変えることで、留守か在宅かがわからない状態になるので効果的です。 3つ目は、郵便物や新聞、牛乳配達などに気を付けること。留守の期間だけストップしておかないと、玄関先に溜まってしまい、留守だというアピールになってしまいます。販売所等に電話をしてその期間だけストップし、後日まとめて配達してもらうようにしましょう。 4つ目は、留守だと悟られないように工夫をすること。夜の8時~朝の4時まで照明が点くような形にしていただくと在宅を装えます。ホームセンターやネット通販でも防犯用のタイマーが1000円ほどで売られているので、それを使って夜間でも照明が点くようにするとよいでしょう。