「なぜこの投手がこれまで勝てなかったのか不思議」開幕から3試合でわずか1失点のアンダースローの快投の秘密を巨人のレジェンドOB・堀内恒夫さんが分析
◆JERAセ・リーグ 巨人2―1広島(14日・東京ドーム) 高橋礼は何でソフトバンクで勝てなかったのか、不思議だよ。余計な力を抜いた、達観したような投球。こんな投球をしてたら、どこでも勝てると思うがなあ。 手先で細工するのじゃなく、ボールを持っている時間、つまり時間差で投げ分けている。ストレートを投げる時には早く離し、スライダーを投げる時には遅くまで持っている。ストレートはスピードガンでは135キロ前後しか出ていないが、ボールが手に付いているから打者は145キロくらいに感じているはずだよ。内角のストレートに詰まって、変化球にはつんのめっていた堂林を見てみろ。 アンダースローには有利なはずの左打者のほぼ全員がタイミングが合っていなかったのも珍しい。矢野のように、ポイントを近くにしておっつけるようなバッティングをしない限り、攻略はできないだろうな。ポイントが前の打者は全滅するよ。 開幕からの3試合、同じような形で抑えている。高低、左右、緩急の3つがあるのだから当然だが、セ・リーグにはいないタイプの投手で、対策もし尽くされていないのだろう。対戦がひと回りするまでは好投していくんじゃないか。死角があるとするなら、この試合の三盗のように、足でかき回されること。高橋礼に限らず、アンダースローの投手はクイックが不得意だから、走者への意識と警戒は不可欠だ。しかし、それにしてもこの安定感。巨人には貴重な戦力だよ。(スポーツ報知評論家)
報知新聞社