黒いキャップに黒のジャンパー姿の男。 時折笑顔を浮かべ、子どもを抱きかかえているのは、カミンスカス操受刑者です。 カミンスカス受刑者が世間を震撼（しんかん）させたのは、今から約7年前。 大手住宅メーカー・積水ハウスが、いわゆる地面師グループに約55億円をだまし取られた事件です。 この事件を巡っては、積水ハウスが、犯行を主導した内田マイク受刑者やカミンスカス操受刑者ら5人に10億円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。 その裁判で東京地検は27日、5人に対して請求通り、合わせて10億円の支払いを命じる判決を言い渡したのです。 主犯格の1人であるカミンスカス受刑者は逮捕前、フィリピンに逃亡。 2カ月にも及ぶ潜伏生活の末、身柄を拘束されました。 事件の舞台となったのは、東京・品川区にあった老舗旅館の広大な跡地です。 積水ハウスはこの土地を購入するため、地主を名乗る女と売買契約を締結。 しかし女は偽者で、土地を取得することはできず、約55億円をだまし取られたのです。 詐欺を立案した内田マイク受刑者と共に、実行部隊のリーダーとして取引を主導したカミンスカス操受刑者。 逮捕前には東京都内のフィリピンパブで連日のように豪遊していたカミンスカス受刑者。 「カミンスカス」は結婚したリトアニア人女性の姓ですが、逃亡中は日本で知り合ったフィリピン人女性と行動をともにしていました。 カミンスカス受刑者は逮捕前、FNNの取材に対し、事件について「自分もだまされていた」と主張していました。 カミンスカス受刑者（2017年3月）: パスポートを見せられた時に、司法書士がホログラムを調べた。ちゃんと（ホログラムが）出たから大丈夫ですって。手付けを12億円持っているんだから、偽物だったら逃げるでしょう。 この事件をモチーフにした小説は2024年にドラマ化され、劇中のセリフは「2024年 ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも選ばれていて、地面師グループが残したインパクトの大きさを物語っています。