ぬいぐるみは持っていくではなく、連れていくもの。現場がなくても楽しい“推し活”ライフとは
推しが広げてくれた友情の輪
先日、JO1の金城碧海くんが24歳を迎えるので、碧海くん最推しのオタク友達を中心に集まり、本人不在のお誕生日パーティーをした。 お祝いをしたお店もオタク友達のお店で、碧海くんをイメージしたオリジナルケーキを制作してもらったのだ。お祝い広告以外にもSNSでよく見かけるオリジナルケーキ。誕生日当日の午前0時は、自分や友達の誕生日では見たことのないような趣向を凝らしたメンバーカラーのケーキがSNSを埋め尽くす。 オタクたちが推しの誕生日お祝いをするのを見越してか、最近、公式グッズでケーキピックが発売された。ケーキピックがあればコンビニのケーキで推しのお祝いをしても見栄え的にはじゅうぶんだ。ケーキに金をかけるなら推しに落とせという意味か?と勘ぐってしまったが、おそらく純粋にお祝い文化を盛り上げるためだろう。 一緒にお祝いしたオタク友達は、もともと知り合いだったわけではなく、JO1好きからリアルな友達になった。相手は何が好きなんだろう?どんなことに興味があるんだろう?と、探る時間がいらないので、仲よくなるスピードは早かった。年代も性別も飛び越えて共通の話題で盛り上がれる。この日もプライベートな話はほぼせず、ひたすら推しの話題で持ち切りだった。プライベートの話をするのが嫌なわけではない。推しの話題が尽きないだけなのである。 現在、私のオタ友との交流場は主にXだが、過去にmixiやファンが作ったコミュニティサイトの掲示板で出会ったオタク友達とも長く付き合いが続いており、20年来の友となった子は、一緒に住んだこともあった。キッカケはSNSでも、一緒にライブに行ったりするうちに推しの話だけではなく、仕事の話、恋愛の話、お互いのことをなんでも話すようになった。 オタクの輪は広がり、海外のオタク友達もでき、ライブに参加するために日本に来た際は私のうちへ泊まったりした。ネットのつながりからトラブルに発展したり、詐欺に遭うこともあるので注意は必要だが、推し活を通して、推しがいなくても楽しめる関係の友人に出会えたことは私の中で大きかった。推しがいなくちゃ始まらないが、推しと直接的な関わりがなくても推し活はじゅうぶん楽しめる。