ぬいぐるみは持っていくではなく、連れていくもの。現場がなくても楽しい“推し活”ライフとは
推しは歩く経済効果
バラエティや情報番組のロケで行った場所、MVやドラマや映画の舞台、最近では公式YouTubeでVlogなども流行っているので、毎日のように聖地が誕生している。 飲食店では、お店側も「〇〇さんにご来店いただきました!」とか、「〇〇さんが座った席はコチラです!」など、ご丁寧に貼り出して、集客につなげている。さらに「〇〇のファンです」と伝えたら推しの曲をかけてくれるサービス精神旺盛な店まであるそうだ。 お店側もそこに訪れる側も過度なアピールやマナー違反は禁物だと思うが、オタクが来店したらそのぶん儲かるはずなので、推しはまさに歩く経済効果である。 さらに、推しの実家や親戚の家が飲食店だった場合、推し本人へのメッセージノートが存在していたりもする。実際、本人に届いているのかは定かではないが、実家が実施していたらしっかり届きそうな気がしてしまう。 私は昔、嵐が『ARASHI SUMMER TOUR 2007 Time -コトバノチカラ-』というツアーを行っていた際は、「Time」にちなみ、ライブ後にオタク友達と語るために「時(とき)」という居酒屋を予約したし、『2004 Dの嵐!Presents 嵐!いざッ、Now Tour!!』では、「いざッ、Now Tour!!」から「いざなぎ」という店を予約した。ぜんぜん聖地じゃなくても勝手に関連づけて盛り上がっていた。 以前、ふらっと立ち寄ったラーメン屋さんのカウンターテーブルのへりに「春日」というシールが貼ってあった。ふと隣を見ると「若林」のシール。そこは、オードリーさんがロケで訪れたラーメン屋さんだった。オードリーさんのオタクが来店しているのかは定かではないが、アイドルのみならず聖地巡礼は、オタクも施設側も幸せにする。
日本の各所にある聖地
都内に住んでいると、たまに家のすぐ裏の路地や商店街が突如、聖地になったりする。かなり昔の話で時効だと思って話すが、15年近く前、推しが出演していたドラマのロケで使われている店舗が自分の家から3分くらいの場所だと発覚し、さらに、その場所からゲリラ生番宣していたことがあり、驚きすぎて失禁したことがあった。 慌てて着替え、家の鍵も閉めずにダッシュで現地へ向かったが、生番宣は1分ほどで終わり、人だかりの中、黒いフィルターの貼られたロケバスはあっという間に去り、推しを拝むことはできなかった。漏らしてなかったら間に合っていたかもしれない……でも突然、家から3分の距離に推しがいるとわかったら誰でも失禁すると思う。 最近、アニメ作品を観ていても街並みがやたらと具体的に描かれていることが多く、調べてみると実在する風景だったりする。映画を観ていて、印象的な街並みが出てくきたときもすぐに検索してしまうが、すでに聖地巡礼スポットとしてまとめられていたりする。 つい先日観た映画でも、元旦那と暮らしていた街の商店街が舞台となっており、まとめサイトにもしっかり載っていて複雑な気持ちになった。 私はアニメや映画作品の舞台が田舎街だったりすると、意図的に町おこししようとしているのか?と勘ぐってしまうほど、影響力は大きいと思う。