NHK『坂の上の雲』が評判、BSで久々テレビ出演…それでも香川照之の「テレビ本格復帰」が遠いワケ
NHKで再放送が開始されたドラマ『坂の上の雲』が好評だ。 同ドラマは司馬遼太郎の同名小説が原作。3部構成となっていて、全13回の放送だったが通常のドラマと異なり第1部全5回は’09年11月29日から12月にかけて、第2部全4回は’10年12月、第3部全4回は’11年12月に放送され、足掛け3年にわたって放送された。 【写真】「えっ、誰??」激変ぶりが驚き…香川照之の「茶髪ロン毛」姿 同ドラマは1話89分。放送時間は大河ドラマの倍。ロケシーンも多く、山場となる日清、日露戦争の戦闘シーンは戦争映画に引けを取らない程迫力があり、相当な制作費がかけられたことを想像できる。 ◆香川だけでなく阿部寛や西田敏行さんなど豪華キャストだが 出演者は、秋山真之役の本木雅弘をはじめ、阿部寛、香川照之、菅野美穂、石原さとみ、松たか子など若手から中堅の人気実力派俳優が顔を揃え、さらに渡哲也さん、高橋英樹、加藤剛さん、西田敏行さん、石坂浩二、江守徹、舘ひろし、伊東四朗、柄本明、竹下景子、竹中直人など日本を代表するベテラン俳優が加わった超が付くほど豪華なキャスト陣だった。そして語りは渡辺謙という贅沢さ。 しかしながら全13回の平均視聴率は14.5%、と思っていたより振るわなかった。 視聴率がそれほどでもなかった理由として、放送が1年も空いてしまうので、視聴者のモチベーションが途切れてしまうからではないかといわれていた。 しかし再放送は、放送時間を半分にして前編、後編に分けて毎週放送となり、おかげで視聴者もドラマを楽しみやすくなった。 そこで注目されているのが、正岡子規を演じている香川照之だ。 香川といえば、’22年8月、銀座のクラブホステスに対する暴行疑惑が報道され、同年9月に司会を務めていた情報番組『THE TIME,』の降板をはじめ、レギュラー出演していた番組、CMもすべて降板した。 テレビから消えた香川だったが、もう一つの顔である“歌舞伎役者”としては、’22年12月、13代目市川團十郎白猿襲名披露公演に市川中車として出演し、俳優復帰している。 その後、昨年の8月、自身が代表取締役を務める『ARANCIONE』の公式サイトで声明を発表し、今後は「歌舞伎」と「昆虫」の活動に注力していくと決意表明した。 ということは、本人は今後、ドラマや映画、テレビに出演するつもりはないとも取れるのだが……。 今月12日放送、BSフジのドキュメンタリー番組『KOKOROTOTONOU』でひっそりとテレビ復帰していた。 ◆息子である市川團子の存在が 地上波でもなくドラマでもないが、『坂の上の雲』の再放送と合わせ、完全テレビ復帰の足掛かりになるのではないかと思われるが、映画関係者はこう語る。 「映画関係者の間では、香川さんの酒癖の悪さは昔から知られていましたので、銀座でのスキャンダルを驚く人はいませんでした。でも、前の奥さんと結婚してから変わったんですよ。見違えるほど丸くなりました。それで仕事のオファーが増えたところもあります。多少しつこく感じますが、芝居は上手く、独特の演技で味がありますよね。今はまだ映画の話は出ていませんが、企画しているところはあると聞きました」 そして、民放のドラマ関係者は、 「昨年あたりから、もうそろそろいいんじゃないかという声は出ていましたが、具体的な話は出ていません。様子見といったところでしょうか。ところがNHKが『坂の上の雲』の再放送を開始したことで、“NHK がやったならうちもいいんじゃない”ということになり、さらにBSですがCXも解禁したから、これからは企画会議で彼の名前は出てくると思います」(ドラマ制作会社) ただ気になるのは、前述の“決意表明”だ。歌舞伎関係者によれば、 「息子の市川團子さんの評判がとてもいいんです。まだ一人前とは言えませんが正直言ってあそこまで成長するとは思っていませんでした。お父さんも彼を全力でバックアップしていますから、ドラマや映画に出る余力はないんじゃないかな。周りとしても、お父さんが表舞台に出て、いろいろ騒がれるのは息子のためにもよくないと思っています。本人もそれはわかっていると思いますよ」 息子が一人前になるまでは、歌舞伎に専念するつもりなのかもしれない。クセが強いといわれるが、観ているほうもクセになる香川の“お芝居”。それが観られるのはまだまだ先のようだ――。 取材・文:佐々木 博之(芸能ジャーナリスト)
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