【ハイライト動画あり】タフな1週間を経て、強くコネクト。ブラックラムズ、今季2勝目。ヒートは攻め切れず、初勝利に届かず
互いに力を振り絞った一戦のベストトライは、前半34分に生まれたものだったか。 インゴールに入ったのは、この日は黒いジャージーを着た10番、呉洸太。負けたヒートが奪ったものだ。
相手のキックを受けたFBトム・バンクスのカウンターアタックから始まった攻撃は、全員が走り、ボールを繋いで敵陣ゴール前に迫った。 呉のトライは、15フェーズを重ねた後の仕上げだった。
この一連のプレーが示すように、ヒートはよく攻めた。それは、Optaのデータからも分かる。前半は風下のヒートがポゼッションで上回り(53パーセントと47パーセント)、ゲインメーターでもブラックラムズより多く走った(208メートル)。
しかし、ヒートは風上に立った後半の環境を生かし切れず、攻め込んだ後の決定力が足りなかった。 ゲームキャプテンを務めたFL小林亮太は、「アタックでは良い部分もあった。ただ、トライ取るところまでいけなかった」と語り、ミスや反則でプレーが途切れたことを悔やんだ。
集中力が切れる瞬間があったことも課題に挙げた。 「やらなければいけないこと、決め事があったのに、ふっとした時に、それを遂行できない。ソフトなトライを与えてしまいました」
またも今季初勝利に届かなかった。勝ち点も得られなかった。 しかし、「悪い部分ばかりではなかった。しっかり前を向いて次戦に向けて準備をしていきます」と気持ちを奮い立たせる。
第9節を終えて12位と最下位。ただ入替戦など、下を見て戦うには早すぎる。 上を見て走り続けるしかない。
田村一博