「オレオレ詐欺なんて昔だったら絶対やりません」今のヤクザは“仁義なき詐欺集団”…日本初の女ヤクザ・西村まこ(58)が「ヤクザ業界」と手を切った理由
西村 やっぱり誰かのためになれるのは、嬉しいことです。ヤクザをやっていて他人に感謝されることはないですからね。ヤクザよりも、今の活動のほうが向いているように感じます。自分も真面目になれるし、いろいろ勉強になるし、人に感謝されるし、良いことずくめです。ワルの道の次は、更生で日本一を目指したいと思っています。 ――元暴力団員や非行少年らが更生する上で、どんなことがネックになっていると感じますか? 西村 やっぱり覚せい剤を止めさせるのは難儀しますね。結局またクスリに手を出してしまって戻ってこられなくなる人がたくさんいます。あとはせっかく真面目に生きようとしても、なかなか仕事が見つからないんですよね。
「過去は変えられないなら…」
――まこさん自身も更生には難しさを感じましたか? 西村 入れ墨がバレて仕事をクビになったりして、「なかなか真面目になれんなぁ。真面目にできんなぁ」と感じていました。行き場がないせいで、結局また犯罪に走ってしまう人は多いんですよね。「五仁會」は、更生を決意した人の行き場になりたい。うちを頼ってくれたら、住むところも仕事も与えます。 女ヤクザだった経験があるからこそ、元ヤクザたちの就労支援という活動ができます。私が過去傷つけた人たちに申し訳ない気持ちはありますが、いくら反省したところで、今から彼女たちに直接謝ったり何かできるわけではありません。過去は変えられないなら、せめて過去を糧にすることで今困っている人を助けていこうと思います。 ――今後の目標はありますか?
今後の目標は…
西村 ケガをしてからは解体の仕事にたまに行く程度で、金銭的にはカツカツの生活ではありますが、ゆくゆくは自分で施設を建てて、ムショ上がりとかで行き場のない人間を住まわせてあげたいです。 ――まこさんが竹垣会長にあこがれて更生の道を本格的に踏み出したように、いずれはまこさんにあこがれる人も出てくるかもしれませんね。 西村 そうなれるように頑張ります。 教育費を稼ぐため“覚せい剤を売っていた”ことも…日本初の女ヤクザ(58)が今も反省する「2人の息子との関係」 へ続く
原田イチボ@HEW