自身の役割が明確になった「つなぎの四球」 ソフトバンク今宮健太、小久保監督の称賛支えに2年ぶりのベストナインに返り咲き
ソフトバンクの選手が今シーズンを振り返る年末恒例のプレーバック企画「鷹戦士あのプレー」を今年も「西スポWEB OTTO!(おっと)」でお届けします。第2回目に登場の今宮健太内野手(33)は新生小久保ホークスを初陣勝利へと導いた「つなぎの四球」が、自身2年ぶり4度目の受賞となったベストナインに大きく影響を与える打席となったことを明かした。 ■「あの小さかった真凜ちゃんが…」秋山幸二さん長女が花嫁姿【写真】 ◇ ◇ ◇ 今宮は感慨深そうに、今季、一番思い出に残った打席を振り返った。 「やっぱり2月の、あの四球ですかね。後ろにギーさん(柳田)、山川、近藤が控える中、何とか主軸につなごうと思った打席で四球を取ることができて、それが結果的に得点、チームの勝利につながった」 2月の宮崎春季キャンプだった。新生小久保ホークスとなって初めて迎えた2月24日の対外試合。チームは相手の台湾・楽天に初回に3失点するなどいきなり劣勢に立たされたが、2点を追う3回に3番柳田の2点二塁打、4番山川の2ランなどで一挙5点を奪って逆転に成功した。 その攻撃の過程で、中軸にいい形で回したのが2番今宮の「四球」だった。まさに「つなぎの四球」だ。この献身的な働きを誰より評価したのが、今年から新たにチームを率いることになった小久保監督だった。 「今日のポイントは(1番周東の後の)今宮の四球です。つなぐ選手と(ランナーを)かえす選手がはっきり分かれている中で、あの今宮の四球が大量得点につながった。かえせるバッターが核(中軸)にいるだけに、あの四球は光りましたね」。 役者がきっちり仕事を果たし、最終的には11―4で初陣勝利を飾った。その一戦のMVPに、試合後の小久保監督は迷わず今宮の名を挙げた。この称賛が、今季プロ15年目を戦った今宮の支えとなっていた。 「監督にすごく評価してもらえたことで、今年、自分が打席でやるべきことというのが明確になった。今年はこの形でいけばいいんだと。僕は本塁打を打って評価される選手ではないので、そういったところを評価してもらえるのであれば、脇を固める選手として、そこだけを目指して頑張ろうと思いました」 自身のやるべきことが明確となった今宮は今季先発出場全126試合中102試合で「つなぎの2番」をまっとうし、自己最多にあと1と迫る46四球を選んだ。また、出塁率も自身2番目に高い3割3分1厘(最高は2022年の3割5分2厘)を記録。打率2割6分2厘、6本塁打、39打点で4年ぶりのリーグ制覇にも貢献し、2年ぶり4度目となるベストナインにも輝いた。遊撃手としての出場記録もリーグ最多を更新中(今季終了時で1575試合)。練習試合の四球ですら成長の糧とする男だけに、まだまだ歩みのペースを緩めることはないだろう。(石田泰隆) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社