一緒に歩いて絆を再確認 奈良県で「お里沢市ウオーク」 夫婦、親子で壷阪寺へ
奈良県明日香村の近鉄飛鳥駅から眼病封じの寺として知られる「壷阪寺」(高取町壷阪)までの約6.5キロをペアで歩く「第7回お里沢市ウオーク」が9日開かれ、夫婦や親子連れら約200人が参加した。浄瑠璃「壺坂霊験記」のお里と沢市のように、互いを思いやる心について考える一日にしてほしいと同寺が主催した。 途中、キトラ古墳近くでは飛鳥観光協会のボランティアガイドが同古墳について説明。壷阪寺では常盤勝範住職による「必要な心、考え方」をテーマとした法話のほか、雑煮の振る舞い、眼病封じのお守りの授与などがあった。 法話で常盤住職は、第5回までウオークに連続参加し、同寺でミニコンサートを開いてイベントを盛り上げたフォーク歌手の高石ともやさんが8月に亡くなったことを受けて追悼の言葉を述べた。その後、目や耳は二つで見直し・聞き直しが許されるが、口は一つで言い直しが許されないことがあるとし、言葉を口にする時には「気を付け、思いやりを」などと語った。
香芝市の太田雄子さん(66)は「体づくりの一環として参加した。完歩を目指す」と話し、夫の巽さん(77)は「今日は妻の付き添いで」と笑顔だった。 浄瑠璃は、盲目の夫「沢市」と妻「お里」の夫婦愛と観音の霊験を題材とした、同寺を舞台にした名作として知られる。