「ゆずりあい駐車場制度」対象者を7月から拡大 静岡県、一時的歩行困難者にも利用証交付
静岡県は11日、障害者や妊産婦らが利用できる「ゆずりあい駐車場制度」の対象者を7月1日から拡大すると発表した。けがや病気で一時的に歩行が困難な場合にも新たに利用証を交付するほか、妊産婦の有効期間を現在の産後3カ月から12カ月まで延長し、利便性を高める。 鈴木康友知事は11日の定例記者会見で「取り組みには県民一人一人のゆずりあいの心が欠かせない。歩行に支障のない人は駐車を遠慮してほしい」と呼びかけた。 ゆずりあい駐車場制度は2012年度から県内全域で始まった。歩行が困難な人に利用証を交付し、ルームミラーなど車外から見えやすい場所に掲げることで車椅子マークの駐車場の適正利用を図る取り組み。利用証は車椅子を常時利用する人が対象の「赤」、それ以外の歩行困難な人の「緑」に加え、一時的に歩行困難になった人や妊産婦向けの「オレンジ」を用意する。利用対象者の障害等級や要介護度も拡大する。 県健康福祉センターや市町の福祉担当課で交付する。県福祉長寿政策課によると、3月末までの交付枚数は約6万3300枚。利用証があれば同様の制度を運用している41府県でも使うことができる。 利用者から対象者の拡大を望む声があり、事業者向けの利用実態アンケートや学識経験者、障害者団体などの意見を踏まえて決めた。 県によると、県内全域の公共施設や商業施設、病院など約1700カ所の駐車場で利用できる。鈴木知事は「できるだけ多くの施設に駐車場があることが望ましい」と述べ、事業者に対して駐車場の確保に協力を求めた。
静岡新聞社