富山・八尾のパチンコ店景品交換所で強盗 刃物男11万円奪い逃走
29日午後11時15分ごろ、富山市八尾町井田のパチンコ店「パーラーファミリー」の景品交換所で、男が女性店員に刃物を突き付け、現金約11万円を奪って逃走した。女性にけがはなかった。県警は30日、強盗事件として富山西署に捜査本部(本部長・島田久幸刑事部長)を設置。50人体制で男の行方を追っている。 同署によると、男は景品交換所の建物から出てきた女性に刃物を向け「金庫を開けろ」と要求。建物内にあった現金入りの袋を奪って逃げた。女性が事件発生から約5分後に「刃物を突き付けられてお金を奪われた」と110番した。 男は身長170センチ前後で、黒っぽい色の上着に灰色のズボン、ベージュ色の帽子、灰色のマスクを着用していたという。県警はパチンコ店の敷地内や周辺に設置されている防犯カメラを解析するなどし、男の特定を急いでいる。 現場はJR越中八尾駅から東に約750メートルの地点。付近には住宅や飲食店などがある。事件を受け、富山市八尾地域の八尾、杉原、保内、樫尾の各小学校と八尾中学校が30日に休校した。
常連客「なぜこの店で」 住宅街に近い県道沿いのパチンコ店の景品交換所で起きた深夜の強盗事件。発生直後から続く捜査に、普段はのどかな現場周辺は物々しい雰囲気となった。 パチンコ店の従業員によると、29日夜は午後10時45分の営業終了まで常連客が10人ほどいた。閉店後の同11時過ぎには駐車場の街灯を消し、事件当時の駐車場は暗かったという。 通報を受けて駆け付けた警察官は、景品交換所の周囲で足跡を取ったり、警察犬で犯人の足取りを追ったりした。犯人が刃物を使ったこともあり、数台のパトカーが巡回を継続。30日午前中には、周辺の住宅で捜査員が住民に当時の様子を聞くなど調べを続けた。 パチンコ店の近くにある接骨院の従業員は「自分の店も狙われていたかもしれない」と怖がった。パチンコ店を訪れた60代の男性客は「常連客が多く、互いに顔が分かり従業員とも顔見知り。なぜこの店で…」と語った。