村上春樹 人生に絶望し、立ち上がった浪人生に届けた言葉とは?「人生には必ず『どつぼ』のようなきつい時期があります。僕にもちゃんとありました」
<クロージング曲> Mark Whitfield「Mr. Syms」
今日のクロージング音楽は、ギタリスト、マーク・ホイットフィールドが演奏する「ミスター・シムズ」です。 「ミスター・シムズ」、ジョン・コルトーレーンの書いた素敵なバラードです。 * さて、今日の言葉は、何かの本で読んで頭に残っている言葉なんだけど、それがどの本だったか、まったく思い出せません。僕の場合よくそういうことがあります。その場でさっと書き留めておけばいいんだろうけど、そういうときに限ってペンも紙もないんですよ。しょうがないですね。こんな言葉でした。 「どんな人間にだって何らかの価値はある。もしそうじゃないとしたら、この世界に何らかの価値のある人間なんて、ただの一人もいないことになる」 本当にそのとおりだと僕は思います。だから小説を書くとき、どんな小さな役の人物にも、ただの通りがかりの人にだって、僕は何らかの価値を託そうと務めています。だってそうしないと、本当に意味のあることって書けませんから。 「どんな人間にだって何らかの価値はある。もしそうじゃないとしたら、この世界に何らかの価値のある人間なんて、ただの一人もいないことになる」 それではまた来月。 (TOKYO FM「村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~」2024年7月28日(日)放送より)