PSG戦で「パレスチナを解放せよ」の横断幕 仏政府が問題視
【AFP=時事】6日に行われたサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2024-25)で、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG、フランス)の過激サポーターがスタジアムの観客席に「フリー・パレスチナ(パレスチナを解放せよ)」と書かれた巨大な横断幕を掲げたことについて、フランスのブリュノ・ルタイヨー(Bruno Retailleau)内相は7日、サッカースタジアムでは全く容認できないとの考えを示した。 【写真5枚】ゴールに自らを縛り抗議 サッカー女子イスラエル戦が遅延 PSGが本拠地パルク・デ・プランス(Parc des Princes Stadium)でアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid、スペイン)に敗れたこの一戦では、試合前に問題の巨大バナーが観客席の一帯を覆い隠した。そこには「フリー・パレスチナ」のスローガンとともに、血染めのパレスチナ国旗、アラブ男性が着用する頭巾「カフィーヤ」で目以外を覆い隠して身ぶりをする男性、中東エルサレムのアルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)、そしてレバノン国旗をまとった少年の姿が描かれていた。 このバナーは、PSGの過激なサポーター集団「ウルトラス」の「コレクティフ・ウルトラス・パリ(CUP)」が掲げたもので、「ピッチ上は戦いでも世界に平和を」というもう一つのスローガンも示されていた。CUPは7日、「憎悪のメッセージ」であることを否定し、むしろ「平和を呼び掛けるもの」だと主張した。 中東では現在、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)のイスラム組織ハマス(Hamas)に加え、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)への軍事行動を激化させており、民間人の犠牲者に対する国際的な懸念が高まっている。 右派のルタイヨー氏は、「サッカースタジアムにおいて、こうしたバナーは全く容認できない」「PSGに対し、自発的な説明とスポーツを損なう政治が持ち込まれないようにすることを求める」とX(旧ツイッター)に投稿した。 仏内務省によると、差別対策担当の内務副大臣が同国サッカー連盟(FFF)のフィリップ・ディアロ(Philippe Diallo)会長とPSGのビクトリアノ・メレロ(Victoriano Melero)最高経営責任者(CEO)を召喚し、8日午前中にこの問題について協議を行うという。 一方、このバナーはフランスの一部左派から支持を得ており、極左政党「不服従のフランス(LFI)」のマニュエル・ボンパール(Manuel Bompard)氏は、「平和のメッセージはサッカースタジアムにふさわしい」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News