「イベント・ドリブンには優位性がある」と私は言いたい―――30年以上の投資経験を持つベテラン投資家の“最強投資ルール”
「イベント・ドリブン」という言葉をご存知だろうか。M&A(合併・買収)や業務提携、リストラなど、企業の経営や財務に大きな影響を及ぼすイベントが起こった際の市場価格の変動を、投資のチャンスと捉える投資戦略のことである。今回取り上げるのは、そんなイベント・ドリブン戦略を駆使し、30年以上の投資経験を持つ羽根英樹氏(X:@hidekihane)。Xでの情報発信のほかに、投資セミナーの講演にも多数出演するベテラン投資家だ。 みんかぶマガジン短期連載「一流投資家が語る、イベント・ドリブン投資戦略の極意」第1回は、羽根氏の投資遍歴と投資におけるマイルールについて話を伺った。
リーマンショックをきっかけに「イベント・ドリブン」戦略に切り替え
――まず、羽根さんの投資遍歴を教えてください。 1993年ごろ、私は商品先物市場を介して行われるコモディティ投資から始めました。この分野では「サヤ取りトレード」という、限月が異なる売買を同時に行う手法があります。 この戦略は株式市場でも見られ、ロングとショートを組み合わせたようなイメージです。そして2003年ごろからは、株式投資に重点を置くようになり、「イベント・ドリブン」という戦略に注力するようになりました。理由としては、商品先物の取引量が著しく減少し、取引が難しくなったからですね。 ――イベント・ドリブンをもう少し解説していただけますか? 「全天候型」とも表現され、明確な入口と出口を持っているので、いつでも始められる利点があります。細かいタイミングを見計らう必要がなく、かと言って長期投資とも戦略が違います。 仮に株主優待権利を持つ銘柄であれば、権利落ちの日に購入する戦略や、公募増資による需給悪化を見越してショートポジションをとるなどの手法がありますね。 さらに、TOB (株式公開買い付け)関連の取引にも着手することがあり、最近はこのイベントを狙いに行くことが多いです。
リーマン・ショック時にはほぼ完全に株式投資へ
――現在は、コモディティ投資をしていないのですか? 現在も、少しだけコモディティ投資を行っていますが、リーマン・ショック時にはほぼ完全に株式投資へシフトしましたね。 ――そして現在につながっていくのですね。 はい。2013年にはTwitter を利用し始めました。最初は友人とのコミュニケーションのためのツールとして使用していましたが、次第にTOBなどの情報も発信するようになり、今にいたります。 ――羽根さんの投資における座右の銘は「諸行無常」とのことですが、その理由について教えてください。
【関連記事】
- 【詳しくは…!?】30年以上の投資経験を持つベテラン投資家の2つの「最強」投資ルールとは…「損をしたくない」思いが不合理なバイアスを生み出す
- 80億トレーダーのテスタが注目する「2024年3つのターニングポイント」…新NISAをこれから始める人に送る3つのアドバイス
- 倒産連鎖が加速!国際的投資家が警鐘「円は紙くずになる」…為替介入寸前!ドル円155円なるとヤバい!海外アクティビストが狙う勝ち組銘柄10
- 150億投資家・片山晃「新NISAで、日本株はいよいよ終わる」2024年注目の3テーマと爆上げ期待の4つの大注目銘柄
- 退職金2000万を1年で1億4000万円、8年で40億円に!銘柄選ぶ時に最も重視な指標と買うべき最強タイミングを全暴露