寺尾聰16年ぶりの主演作、松坂桃李と紡ぐ父子の物語『父と僕の終わらない歌』公開決定
実話をもとにした映画『父と僕の終わらない歌』が、来年(2025年)5月23日に劇場公開される(配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。主演は16年ぶりとなる寺尾聰。息子役で松坂桃李が共演する。監督は、『タイヨウのうた』(06年)、『ちはやふる』シリーズ(16~18年)、『線は、僕を描く』(22年)などの小泉徳宏。 【動画】『父と僕の終わらない歌』特報映像 2016年、イギリス。ドライブの車中で楽しそうに歌う父と息子の動画がYouTubeに投稿された。助手席に座り、抜群の歌唱力で伸びやかに歌い上げる父テッド・マクダーモットは、アルツハイマー型認知症を患っていた。この動画は同じ境遇にある世界中の家族に感動と希望を与え、再生回数は6000万回以上を記録。さらにこれがきっかけとなり、父テッドは80歳にしてCDデビューを果たし、イギリス最高齢の新人歌手となった。 この奇跡の実話を、日本の横須賀で暮らす父と息子に置き換え、それぞれの愛と葛藤、家族や友人たちに支えられながら、アルツハイマーの父が若き日にあきらめたレコードデビューの夢を、再びかなえようとするまでを描く。 音楽とユーモアをこよなく愛し、生まれ育った横須賀で楽器店を営む父・間宮哲太(まみや・てった)を、77歳になった今も俳優・ミュージシャンとして第一線に立ち続ける寺尾が演じる。『さまよう刃』(2009年)以来、16年ぶりに映画で主演を務める寺尾は、「俳優と歌手人生が初めて交わる作品で、こんなにも素晴らしい人たちと出会えたことに感謝」と、本作への想いを語る。 そんな父を支え続ける息子の間宮雄太(まみや・ゆうた)を、松坂が演じる。今回の共演に「今回、寺尾さんの息子を演じられたことは、僕の中では本当に誇りです」と語り、ナイーブさと優しさを併せ持った確かな演技力で、病気の父を前に不安に揺れながらも寄り添う息子を熱演する。 さらに、チャーミングで茶目っ気のある哲太の妻で、雄太の母・間宮律子(まみや・りつこ)役には松坂慶子。夫と息子への愛情を全身からにじませ、スクリーンに温かみを添える。さらに間宮家を取り巻く横須賀の人々を演じるキャストに、佐藤栞里、副島淳、大島美幸(森三中)、三宅裕司、石倉三郎、さらには、齋藤飛鳥、佐藤浩市らが集結した。 あわせて特報映像も公開。「大好きな歌を歌う時だけ、いつもの父さんが戻ってくる」という言葉とともに、カーステレオから流れる音楽に合わせ楽しそうに歌う父。その様子を撮影し、SNSで世界中に拡散されていく模様が映し出される。横須賀の愉快な仲間たちとともに、幸せな家族の様子が描かれるが…。「スマイル、サン。ジャストスマイル。」という父の言葉の持つ意味とは…。シリアスなテーマを軽やかな空気に包みつつ、胸が熱くなる家族のドラマを予感させるこの特報映像は、来年1月10日から全国の劇場でも上映される。 ■寺尾聰(間宮哲太役)のコメント この作品は、俳優と歌手人生が初めて交わる、自分にとってメモリアルな作品です。正直、最初はこの作品を受けるべきか悩みましたが、息子役が桃李と聞いて、桃李とならやってみたいと、だんだんと心が動いていきました。 どの作品にも充実感はあるのですが、この作品だけはちょっと違う充実感で、この歳で、こんなにも情熱を注げられるものに出会えたことに感謝しています。 ■松坂桃李(間宮雄太役)のコメント 横須賀が舞台の本作。横須賀の独特な、他にはない街並みの空気を味わいながら撮影できたことが印象的でした。 今回、寺尾さんの息子を演じられたことは、僕の中では本当に誇りです。もし他の人がやっていたら、きっと悔しかったと思います。寺尾さんはいつも優しく包み込んでくれて、一緒にお芝居すると瞳に吸い込まれそうになる、そんな素敵な方です。 この映画は、皆さん自身の家族の物語です。この映画によって希望を感じてもらえる瞬間がありますように。 ■小泉徳宏監督のコメント 「寺尾聰史上、最高傑作を目指します」と本人を前にして豪語したところからのスタートでした。 数々の名作を思い返して、我ながら言い過ぎたとちょっと後悔しましたが、そういう気持ちで作ったことに嘘はありません。果たして私の妄言通りになっているかはともかく、寺尾聰さん、松坂桃李さんを初めとした素晴らしい俳優陣とスタッフの大きな力をお借りして、楽しく、優しく、そしてどこか切ない素敵な作品が出来上がったと思います。 皆さんにとってこの映画が『忘れられない』一本になることを願っています。