ついに毎月4.5万円の赤字に転落へ…養育費・月9万円を払ってきた年収800万円の56歳バツイチ会社員、今度は32歳年下彼女との〈授かり婚〉でにっちもさっちもいかなくなったワケ【行政書士が助言】
56歳会社員・悠介さんのケース
<登場人物(年齢は相談時点。名前は仮)> 夫:北島悠介(56歳。会社員。年収800万円)☆今回の相談者 現妻:北島美愛(24歳。専業主婦) 現妻の子:北島美紅(0歳) 前妻:寺田綾香(52歳。職業不明、年収不明) 前妻の子:寺田利人(16歳) 「お恥ずかしい話ですが」と前置きした上で「この歳で子どもを授かりまして……養育費の払いが苦しくて何とかしたいのです」と苦しい胸のうちを打ち明けます。 悠介さんは9年前に離婚。前妻が長男を引き取り、悠介さんは毎月9万円の養育費を長男が成人するまで支払うことを約束しました。 このように前配偶者に対して支払う養育費、慰謝料、解決金などのことを「離婚債務」といいます。今まで一度も欠かさず、長男の口座へ振り込んできたのは悠介さんの年収が800万円で、余裕こそないけれど、生活に事欠かなかったからです。 しかし、当時交際していた彼女(24歳)の妊娠で状況が一変。彼女にとって悠介さんは同じ部署の直属の上司でした。悠介さんは責任をとる形で彼女と再婚したのです。前述の統計によると夫が再婚、妻が初婚のというカップルは、結婚全体(50.4万組)の9%(4.6万組)です。 彼女はそれをきっかけに退職。悠介さんは赤子のオムツ、ミルクの出費が上乗せされ、さらに専業主婦になった現妻を養わなければならなくなりました。悠介さんの手取りは毎月42万円。糖尿病を患っている悠介さんは毎月2万円の医療費がかかっており、ついに家計の収支が4.5万円の赤字に陥ってしまったのです。 悠介さんが筆者の事務所へ相談しに来たのはにっちもさっちもいかなくなったタイミングでした。 <毎月の家計収支> 家賃 110,000円 水道光熱費 30,000円 食費 60,000円 自動車ローン 30,000円 自動車保険 6,000円 ガソリン代 14,000円 妻の大学奨学金返済 15,000円 医療費 20,000円 携帯代 22,000円 医療保険 16,000円 日用品 10,000円 雑費 30,000円 オムツ、ミルク 12,000円 養育費 90,000円 約465,000円 悠介さんが前妻と離婚できたのは別居3年目のことでした。悠介さんがいくら「別れてくれ」と頼んでも、前妻は無視を決め込み、離婚調停を申し立て、裁判所内でようやく決着したという経緯があります。 前述の統計によると2023年の離婚件数は183,814人。一方、結婚件数は474,741人なので3組に1組は離婚する計算です。そのため、夫婦が離婚すること自体は珍しくはないのですが、悠介さんは離婚後、前妻とほとんど連絡をとっていませんでした。