65歳で定年退職するつもりでしたが「再就職」を考えています。70歳まで働くと年金額はどれくらい変わりますか?
老後が近づくにつれ、今回の事例のように、65歳で定年退職をするか65歳以降も働くかで悩む方もいるでしょう。 特に、老齢厚生年金の年金額は厚生年金に加入していた間の報酬額や加入期間に応じて変わるため、定年退職後も再雇用や再就職などで働いたときの金額差を知っておくと、リタイアするタイミングを決めやすくなります。 今回は、65歳で定年退職したケースと70歳まで働きながら年金を受け取ったケースの年金額についてご紹介します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
65歳で定年退職したときと70歳まで働き続けたときの年金はどれくらい変わる?
今回は以下の条件で、65歳で定年退職をするケースと70歳まで働くケースで年金がいくら変わるのかを比較しましょう。 ・国民年金は全額納付している ・老齢基礎年金額は日本年金機構より、令和6年度分の月額6万8000円とする ・平成15年4月以降に厚生年金へ加入している ・老齢厚生年金額は報酬比例部分と同額とする ・賞与は考慮しない ・月収は25万円、年収は300万円のまま一定 ・勤務は22歳からとする ・65歳以降は年金を受け取りながら働いている ■65歳で定年退職 条件を基にすると、日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)」より、平均標準報酬額は26万円です。同じく日本年金機構によれば、報酬比例部分は「平均標準報酬額×0.005481×厚生年金の加入月数」で求められます。 22歳から65歳まで働いていると、厚生年金の加入期間は43年、月数は516ヶ月のため、式に当てはめると「26万円×0.005481×516ヶ月」です。 計算すると、老齢厚生年金額は約73万5331円を受け取れます。老齢基礎年金は年額が「6万8000円×12ヶ月」なので81万6000円となり、65歳で退職したときに受給できる年金は合計約155万1331円、月額約12万9278円です。 ■70歳まで勤務 70歳まで勤務すると、厚生年金への加入期間は48年、月数は576ヶ月です。報酬比例部分は「26万円×0.005481×576ヶ月」となるため、老齢厚生年金額は約82万835円を受け取れます。老齢基礎年金と合計すると年間約163万6835円、月額約13万6403円です。 65歳で退職したときと比べると、年間で約8万5504円の差があります。 日本年金機構によると、働きながら年金を受給するときは、毎年老齢厚生年金額が見直され、10月分から改定後の金額を受給可能です。70歳までの老齢厚生年金額は、以下のように変動します。 ・65歳:約73万5331円 ・66歳:約75万2432円 ・67歳:約76万9532円 ・68歳:約78万6633円 ・69歳:約80万3734円 ・70歳:約82万835円 なお、毎年改定されるのは65歳以降で働きながら受給しているときです。