どこまで進む「デジタル教科書」導入 小学校などで進むICTを活用した授業 広島の教育現場は?
広島ニュースTSS
小学校などで進むICTを活用した授業。 紙の教科書の電子版、「デジタル教科書」の導入はどれほど進んでいるのでしょうか。 【鈴木記者】 「広島市安佐南区の小学校に来ました。いまちょうど授業中なんですが、教室をのぞいてみると手元にはタブレットが一人一台用意されていますね」 小学校などで進むコンピュータやインターネットなどの情報通信技術(ICT)を活用した授業…。 【安西小学校・長倉奈美教諭】 「これが子どもたちので、こちらがデジタル教科書。例えばここに養殖のことがあるが養殖の様子がここを押したら動画で流れたりとか、漁業協同組合の人の話が文章でも書いているが実際に話す」 こうしたデジタル教科書…。 保護者の中にはまだ見慣れないという人も少なくないかもしれませんが、広島市ではどれほど導入が進んでいるのでしょうか…。 【広島市教育委員会指導第一課・高田尚志課長】 「令和6年度から正式に国から小5~中学生の外国語に使う教科書をデジタル教科書を導入するということになっている。どちらかだけを使うのではなく両方を併用するのが大きな方針」 「デジタル教科書」は2019年に授業の一部で使用することができるようになり、2021年には広島市では1人1台、タブレットが配布されました。 そして、今年度から小学5年生から中学3年生の授業で「英語」のデジタル教科書が使われ、さらに半数程度の学校では算数・数学でデジタル教科書が使われているといいます。 今回取材をした安西小学校では、算数と英語以外は学校の予算の中で各学年ごとに決めた科目のデジタル教科書を先生の端末のみに導入し、授業の際に児童と共有しています。 【安西小学校・長倉奈美教諭】 「この学校では低学年では国語でも(デジタル教科書が)あり、押さえたところから読んでくれたり、読みながら色が変わったりする」 さらに授業では…。 教科書とは別に児童一人ひとりのタブレットには発表などに使うアプリが入っていますが、時にはこんな”トラブル”も…。 「重たい!…固まった…」 紙では起きることがないデジタルだからこそ起きる接続の不調です。 デジタル教科書も同様にクラウドに接続して閲覧するというシステムのためこうしたトラブルが生じ、授業に影響が及ぶこともゼロではありません。 それでも児童たちは…。 【小学5年生】 Q:紙とデジタル両方あるほうがいい? 「デジタル!紙だとグッシャっとなったりする」 「両方あるほうがいい。図形は動かしたりできるから。国語は自分の目で紙の方が遠い時に近いから見やすい」 一方、先生は…。 【安西小学校・長倉奈美教諭】 「私の意見としてはそれぞれメリットデメリットがあると思っていて、デジタルは見て、耳にも届いて視覚的にと聴覚的にとどちらの支援にもなるが、逆にそっちに頼ってしまって文字を読んで文字から考えるという力も必要なので、両方を上手に組み合わせながらやっていくのが大事かなと思う」 今後、どのようにデジタル教科書が普及していくのか。 国の検討も進んでいます。 <スタジオ> デジタル教科は我々の世代では考えられなかった景色ですね。 【コメンテーター:エディオン女子陸上部アドバイザー・木村文子さん】 「本当に驚きです。紙ベースでしかできない読解力を重点的にやってもらいたいという思いはありますが、ハイブリッド化で両方導入した上で、子どもたちの学習の成果、現場の教職員の方々の声を抽出して今後につなげてほしいと感じました」
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