広告会社が「苦境UUUM」の買収に見いだした価値 身売りから半年、親会社とUUUMが描く再起の道筋
――ただ、直近のUUUMの業績推移を見ると、ショート動画の普及で柱のアドセンス収入は低下しています(詳細はこちら)。 UUUM 梅景匡之社長(以下、梅景) UUUMのクリエイターの収益を見ていると、必ずしも下がっていなかった。チャンネルによっては広告単価が上がっているものも多くある。 ショート動画が逆風ということもまったくないと思う。長尺コンテンツの再生回数は減っているが、視聴時間には大きな変化はない。またショート動画ではノンバーバル(言葉を発さない)コンテンツのほうが海外でウケたりするので、まったく別の視点でショート動画を捉えている。
――フリークアウトの広告ビジネスとは、どんなシナジーを見込んでいるのでしょうか。 本田 インフルエンサーマーケティングの世界では現状、買い手(広告主)と売り手(インフルエンサー)をスムーズにつなげられていない。われわれがテクノロジーを活用することで、それを実現するシステムを作っていきたい。 フリークアウトとUUUMの事業領域には重複部分もある。広告のセルサイド(媒体側)とバイサイド(広告主側)で、得意な方面に特化していくべきだと思っている。UUUMは強みであるセルサイドのクリエイターマネジメント、フリークアウトはバイサイド向けにそれぞれ集中させていく。
■エンジニアが会社の主役になる ――シナジーを出していくうえで、UUUM側の経営課題は? 本田 UUUM社内のエンジニアのチームだ。バイサイドとセルサイドをつなげようにも、同じレベルのチームがなければ成り立たない。チームをゼロから立て直すつもりで、フリークアウトからCTO(最高技術責任者)クラスの人材を出向させてトップに据え、新しいチームを作っている。 フリークアウトでは、文言やキーワードで動画内のデータを解析し、広告主が広告を出すうえでどの動画がいいのか、悪いのかを分析できる技術を持っている。