萩生田光一氏「執行部の判断は大変疑問」 自民非公認候補「2千万円支給」に当事者憤り
自民党が衆院選（27日投開票）で非公認とした前議員が代表を務める政党支部に対し、政党交付金から「活動費」名目で2千万円を支出した問題を巡って、該当する候補は「事前に支給の連絡もない。選挙に使っていない」と困惑をあらわにしている。「事実上の裏公認だ」（共産党の機関紙しんぶん赤旗）などと報じられ、選挙戦の最終盤に批判が集中しかねないことに懸念を深めている。 【表でみる】夕刊フジが作成した「落選危機にある大物・著名候補21人のリスト」 「なぜ選挙期間中に支給を決定したのか。事前に連絡もなかったのか。執行部の判断に対して大変疑問を抱いている。戦っている最中に、このような報道が起こること自体、われわれにとって迷惑な話だ」 自民を非公認となり、東京24区に無所属で出馬した前職、萩生田光一氏は24日夜、X（旧ツイッター）に自身のコメント動画を投稿し、こう語った。動画では、しんぶん赤旗が「裏金非公認に2千万円」などと報じたことを受け、政党支部の口座を確認すると党本部から公示後の16日付で2千万円が振り込まれていたことを明らかにした。 萩生田氏は「当然、今回の選挙費用として全く使用していない」と説明。2千万円は衆院選の選挙関係費ではなく、「党勢拡大のための活動費」として支給されているが、萩生田氏は「無所属候補で自民党のマニフェストさえ届いていない。党勢拡大の何に使用できるのか。非常に分かりにくく、誤解を招くものだ」と疑問視した。 その上で、「そもそも個人的な関係でも閣僚や党幹部は（萩生田氏の）応援に行ってはならないと、厳しい対応をしているにも関わらず、突然このような資金を振り込まれて、正直ありがた迷惑な話だと思う」と語り、返金を含めた対応を党本部と協議するとした。 東京21区から無所属で立候補した前職、小田原潔氏も24日の街頭演説で、2千万円の活動費が政党支部に振り込まれたことを確認したと説明し、「われわれがお願いしたり、掛け合ったりということは一切ない」と強調。「勝手に振り込まれて、『政治資金だ』『党勢拡大だ』といわれても、ただただ困惑するだけだ」と訴え、返金する方針を示した。 同じく党公認が認められなかった新潟2区の前職、細田健一氏も23日夜、記者団に「どういう判断で振り込まれたのか。私も分からない。こちらから振り込んでほしいとお願いして、振り込みがあったわけでは全くない。党本部の判断として振り込みが行われた」と困惑を隠さない。「選挙に使わないようにという指示があったので、われわれは（投開票日の）27日までは使わないと理解している」と語った。（奥原慎平）
