漫画家・五十嵐大介さん、台湾は「肌に合う」=イベント参加で訪台
(台北中央社)漫画家の五十嵐大介さんが21、22日に台北市内で開かれる「グラフィック・ノベル・フェスティバル」(図像小説祭)への参加のために訪台し、20日、中央社のインタビューに応じた。訪台は2回目だという五十嵐さん。二十数年前に初めて台湾を訪れた際、台湾の時間の流れ方が気に入り、「とても肌に合う」と感じたと明かした。 デビュー作「はなしっぱなし」(「月刊アフタヌーン」で1994年2月号~96年8月号に連載)の連載終了後、友人で漫画家の黒田硫黄さんから「『蚵仔煎』(かきオムレツ)を食べに行こう」と誘われて初訪台した。食べるのが旅行の目的だったため、約2週間の滞在期間中、毎日5食以上を食べ、屋台にもたくさん足を運び、食べたことがないグルメを数多く味わった。料理がとても印象的だったことから、レシピ本をたくさん買って帰ったという。 五十嵐さんは埼玉県浦和市生まれ。両親が北の地域の出身で、自身も東北地方には行ったことがあったが、南の地域を訪れたことはあまりなく、「台湾みたいに亜熱帯の環境に初めて来て、とても肌に合うというか、時間の流れ方とかがとても気に入った」と話す。当時は北部・台北、基隆、南部・台南、高雄を訪れ、台南では生まれて初めて「この街に住んでみたい」との思いを抱いたと明かした。 漫画を描く際「まず最初に自分の好きな風景が描きたいというところから始まる」という五十嵐さん。作品中には台湾の墓も登場したことがある。「旅に行ったらとにかく歩き回るのが好き」で、旅行中には1日4万~5万歩を歩く。墓も、歩き回っている際にたまたま目にし、日本の墓と全く違うことから興味をそそられたと言い、台湾の風景は「全部とても興味深かった」としみじみと語った。 今回、久しぶりに訪れた台北の街を歩いてみて「変わっていないところもあるし、変わっているところもある」との印象を抱いたという。建物などは変わっているものの、雰囲気は残っていると感じ、「通りを今歩いてきただけでもすごく楽しくて、わくわくした」と目を輝かせた。 グラフィック・ノベル・フェスティバルは華山1914文化創意産業園区で開催。五十嵐さんは21日に台湾の作家、呉明益さんと対談する他、サイン会も開催する。 (名切千絵、王宝児)