《いま振り返る“嵐、大ブレイクの軌跡”》“明確な転機”となった『花より男子』、松本潤の勢いがほかメンバーにも波及 『VS嵐』で幅広い世代に人気が拡大
知名度が上がり、歌唱力への評価が高まることでグループ初となるドームコンサートを東京と大阪で開催。ステージの実績を積みながら若者だけでなく、幅広い世代が彼らを知る契機となったのがテレビの冠番組だ。 なかでも代表作のひとつが2008年4月にスタートした『VS嵐』(フジテレビ系)だろう。ゲスト相手にさまざまなアトラクション勝負やトークを繰り広げる内容で、土曜昼の放送から、翌年に木曜ゴールデンに昇格した。同番組の総合演出を務めたフジテレビの萬匠祐基さんが語る。 「番組の企画当初から“必ずゴールデンに上がる”との思いが強く、嵐とスタッフにそう話していました。初回収録時、スタジオに来た相葉さんが“すごいセットですね!”と言ったことと、収録後に二宮さんが手ごたえを感じた表情で“おもしろかった?”と聞いてきたことを覚えています」 番組を通じて、メンバーが成長していく姿を萬匠さんは見つめていた。 「親子や家族といった老若男女が一同にテレビを見る夜7時の時間帯で12年という長期間にわたって続いたのは、誠実なキャラクターで幅広い年代に愛される5人だからこそでした。櫻井さんは他局の地方ロケに行くと“VS嵐、見ているよ”と年配のかたによく言われたそうで、“VS嵐で覚えられていることが多い”と聞かされたときはうれしかったです」 嵐はスーパーアイドルでありながら、よい意味で「普通の人」だったと萬匠さんは続ける。 「彼らは一般の人と同じような価値観の持ち主です。そうした“普通さ”をトークやゲームの合間に披露してもらい、視聴者の皆さんに身近に感じてもらうよう心がけました。ゲームバラエティーなのでつい熱くなったり失敗してへこんだり、5人がチームワークを垣間見せたりすることなどで、普段あまり見せることがない自然な表情を届けられたのも番組の魅力でした」
MCもおもしろく、こんなに笑って泣いて心に響くライブはほかにない
デビュー当初から嵐の取材を重ねた芸能リポーターの駒井千佳子さんも、メンバーの「わちゃわちゃしたところ」が嵐の魅力だと話す。 「コンサートのリハでも5人みんなで輪になってお昼ご飯を食べるというし、ツアー中に11月3日のデビュー記念日を迎えたら、滞在しているホテルのメンバーの誰かの部屋に集まって乾杯をすると大野くんから聞きました。 多くのグループは部分的には不仲だったりするけど、松潤は“ぼくたち、一度もけんかをしたことがないんです”と言っていましたね。本当に奇跡のようなグループで、彼らの和気あいあいとした雰囲気が大好きというファンはとても多いです」 ドラマや映画への出演、報道番組やバラエティー番組での活躍と幅広いフィールドで多才なアイドル性と確かなタレント力を見せつけ成長していくなかで、大きく評価されたのが歌手としての一面だ。2009年に『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、翌年は第24回日本ゴールドディスク大賞の邦楽部門にて史上初となる10冠を達成し、「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を初受賞。 『Happiness』『One Love』など、歴代のグループには珍しくヒット曲が多い理由について、多田さんはこう語る。 「メロディーや歌詞の細部までこだわるのは嵐ならでは。一度採用されても、この部分をもう一度と相談があり、何パターンも出して直していく。 それに加え、個々の技術の確かさが楽曲に深みを与えています。5人揃って歌うと声が重なってハーモニーが美しく、同じ旋律を歌ってもちゃんとハモッている感じがします。どんな歌でも彼らが歌えばその年代、その季節の歌になるし、キレキレのダンスナンバーから深いバラードまで歌いこなし、多くの人に届ける力とスキルがあります」
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