コンビニの灰皿撤去じわり 廿日市市、地元医師会が呼びかけ
広島県廿日市市のコンビニで灰皿の撤去がじわりと進んでいる。受動喫煙防止の機運が高まる中で根強く残る喫煙スポットだが、地元の佐伯地区医師会の要望に2年間で3店が応えた。21日には同医師会が協力した店に感謝状を贈った。 【写真】コンビニの灰皿撤去じわり(計3枚) 同医師会は2022、23年度、市内の約40店のうち灰皿を置いていた26店に要望書を送付。「客や通行 者に受動喫煙のリスクを生じさせている」と撤去を求め、小学校近くの店には直接訪問して理解を促したという。 この日、感謝状を受けたセブン―イレブン廿日市本町店は22年9月、要請を受けた日に店先の灰皿を取り払った。経営者の山口景一郎さん(69)は「灰皿があることで子育て世代から苦情もあった。店ではたばこを売っており葛藤はあったが、健康被害を防げる安心感が強い」と明かす。 20年に全面施行された改正健康増進法で、コンビニなどの店先では受動喫煙を生じさせない配慮義務が定められたが、喫煙場所の設置は禁じられていない。市内で灰皿を撤去していない店の経営者男性は「たばこを吸える場所が減り、店に吸いに来る客は多い。灰皿をなくすと売り上げに響くし、ぽい捨ても増えるはず」と強調する。 市の23年の調査では、回答した市民1729人の24・8%がコンビニ入り口で受動喫煙を経験したと回答。飲食店や職場、路上など全11項目の中で最も高かった。同医師会禁煙部会の渡正伸部会長(64)は「コンビニは子どもや妊婦も訪れる。健康被害につながる灰皿は放置してはならない。引き続き説得していく」と述べた。
中国新聞社