孫、父母、祖父母みんなが喜ぶ! 「教育資金の一括贈与の非課税制度」を知っておこう!
教育資金口座からの払い出し
教育資金の支払いを行った場合、その支払いに関する領収書などの書類を金融機関に提出して、払い出しを受けることになります。払い出し方法には、教育資金の支払いの都度、払い出し請求する方法(支払日から1年以内に領収書等を提出)と、まとめて請求する方法(支払日の翌年3月15日までに領収書等を提出)の2つがあります。
祖父(贈与者)が亡くなるとどうなる?
祖父(贈与者)が死亡した場合、原則として、その死亡日時点の非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額のうち、一定の計算をした金額(管理残額)が、「その贈与者からの相続等による取得」とみなされます。ただし、孫(受贈者)が23歳未満の場合や平成31年4月1日以後の教育資金支出がないなど一定の場合には相続等による取得とはみなされません。 また、令和5年4月1日以後に支出し、同日以後に祖父が死亡した場合、祖父の死亡に係る相続税の課税価格の合計額が5億円超のときは、その教育資金支出分は「相続等による取得」とみなされます。 さらに、孫(受贈者)の管理残額に関する相続税額につては、「相続税額の2割加算」の対象となる場合があるので、注意が必要です。
贈与税が非課税となる額
孫(受贈者)が4歳のときに、祖父(贈与者)から教育資金として1500万円の一括贈与を受けた場合を仮定してみましょう。 直系尊属から18歳以上の子や孫が贈与を受けた場合には、特例贈与財産として特例税率が適用できますが、今回は受贈者が4歳であるため、一般税率の適用となります。仮に、暦年課税で基礎控除額110万円を控除した後の課税所得1390万円として計算した贈与税額は、450万5000円(1390万円×45%-175万円)となります。 教育資金の一括贈与制度を利用することにより、この贈与税額が非課税となるわけです。
まとめ
教育資金の一括贈与制度を利用することにより、孫(受贈者)にとっては学べる機会や選択肢の可能性の幅が広がることや、贈与税が非課税となることなどのメリットがあります。 父母にとっても、教育資金の準備に対する心配が軽減されることで、状況によってはその分のお金を他の資金の準備に回すことができる、などのメリットがあります。 祖父(贈与者)にとっては、「かわいい孫」の成長や将来に対して、直接的かつ積極的に貢献できることや、自分の財産を非課税で次世代・次々世代に移転することができるなどのメリットがあるでしょう。 ただし、制度を利用するためには金融機関等での手続きが必要となることが少々煩わしく、それが唯一のデメリットといえるのかもしれません。 出典 国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし 一般社団法人信託協会 信託の受託概況 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 執筆者:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部