中村鴈治郎、建て替えの目途が立たない国立劇場に「情けない」
歌舞伎俳優、中村鴈治郎(65)が20日、東京都内で行われた国立劇場「6月歌舞伎鑑賞教室『恋飛脚大和往来-封印切-』」(1~21日、東京・サンパール荒川)の取材会に共演の市川高麗蔵(66)と出席した。 老朽化による建て替えのため昨年10月に国立劇場閉場後、初めての歌舞伎鑑賞教室。記者から「閉場後(建て替えの)目途が立たない状態をどう思っているか」の問いに鴈治郎は、「いろんな意見もあるでしょうが率直に言うと情けない。ナショナルシアターを作れない国を感じてほしいというのが現状。それ以上言い出すときりがない」と憤った。 高麗蔵も「歌舞伎にとっても日本にとっても大切な劇場だったというのを痛感しています。何とか早く作ってほしい。劇場ができるまで今の劇場を使わせてもらうことはできないのか、切に思っている」とやるせない胸の内を語った。 同演目は、上方歌舞伎の名作で飛脚を営む忠兵衛(鴈治郎)と遊女、梅川(高麗蔵)の恋模様などが描かれる。 初代鴈治郎が演じ、140年受け継がれる縁の演目で忠兵衛役を演じる四代目は「鑑賞教室が続けられることうれしく思います。ですが鑑賞教室という名前は好きではございません。あくまでも勉強ではございません。歌舞伎は娯楽。先生も楽しんで」と呼びかけた。