高石あかり、2025年度後期“朝ドラ”ヒロインに決定…涙の登壇「胸がいっぱい」<ばけばけ>
10月29日、NHK大阪放送局にて2025年度連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合ほか)のヒロイン発表会見が実施され、第113作目の“朝ドラ”ヒロイン・松野トキ役を高石あかりが務めることが明らかになった。発表は生放送の「列島ニュース」の中で行われるという異例の発表形式。脚本はふじきみつ彦氏が担当する。 【写真】着物姿で満面の笑みを見せる高石あかり ■「ばけばけ」とは 連続テレビ小説「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツ(1868-1932)をモデルに、外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に『怪談』を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語だ。 実在の人物である小泉セツをモデルとしつつも、大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描く。 ■高石あかり「本当は涙もろくない人間のはずなんですが…」 着物姿で登場した高石は、感極まった表情で言葉が出ず、「大変失礼しました」とあふれる涙と共に会見はスタート。小さい頃からの夢だったという“朝ドラ”のヒロインに選ばれた時の気持ちについて「頭が真っ白で。本当に目の前が真っ白に見えてるんです(笑)。その時は感情が追い付いてこなくて…でも一人になってボロボロと涙が出てきました。本当にうれしいです」と“涙”のエピソードを明かした。 高石は「本当は涙もろくない人間で、人によっては私の涙を見たことがないという人がいるくらい。でも、やっぱり私の中で“朝ドラ”というものが本当に大きなものだなと思いましたし、(会場の)皆さんの温かい表情に胸がいっぱいになりました」と気持ちの高まりを感じさせた。 さらにヒロインに決まったことを家族にも伝えていないという高石は、「誰にも言ってはいけないと言われていたので伝えていなくて。ここに来る前に、この放送を見てください、とURLとともに言葉を添えてきました」と明かし、「多分いま驚いていると思います」と笑顔を見せた。 ■登壇の衣装にも思いを込めて「皆さんに覚えていただけるような人に」 花の柄をあしらった白の着物で登壇した高石だが、その衣装にも特別な思いを込めたという。「作品の時代が明治ということで、お着物を着させていただいて。(柄の)お花は、ハナミズキとワスレナグサです。ワスレナグサは“私のことを忘れないで”という花言葉があります。何者でもない自分が、こうしていまここに立って、皆さんに覚えていただけるような人になれるようにという気持ちを込めました。ハナミズキは感謝と返礼が花言葉なので、今まで支えていただいたたくさんの方に、少しでも感謝の気持ちを返せたらと今回このお着物を選びました」と真っすぐなキラキラとした瞳で語った。 また、ヒロインオーディションにも立ち会ったという脚本担当のふじき氏は、高石が選ばれた決め手について「のちに夫婦になる二人のシーンでの課題の際、本当にこんな雰囲気でこんな会話をしていたのでは?と錯覚するくらい、自分が明治時代に行って二人をのぞき見しているような感覚になったのが印象深かったです」と明かすと、それを受けた高石は、その言葉を噛みしめるように「うれしいです。ありがとうございます」と感謝を告げた。 高石は「小さい頃から“朝ドラ”ヒロインになるのが夢でした。“朝ドラ”ヒロインとして見てくださる皆さんに温かい気持ちになってもらったり、寄り添えるような作品になれるよう精一杯頑張ります」と決意を新たに笑顔を見せ、温かい雰囲気に満ちた会見となった。 ■「ばけばけ」の物語 明治時代の島根県・松江。松野トキ(高石あかり)は、怪談話が好きなちょっと変わった女の子。松野家は上級士族の家系だったが、武士の時代が終わり父が事業に乗り出すものの失敗してしまい、とても貧しい暮らしをすることに。世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、生きにくい世の中をうらめしく思って過ごす。 そんな中、極貧の生活が続きどうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込んでくる。それは松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事だった。まだ外国人が珍しい時代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上でトキは女中になることを決意する。 そしてその外国人教師は、小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげくアメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いたギリシャ出身のアイルランド人だった。 トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされるが、お互いの境遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるようになっていく。しかも二人とも怪談話が好きだったのだ。 “へんてこ”な人々に囲まれ、“へんてこ”な二人が夜な夜な怪談話を語り合う、“へんてこ”な暮らしが始まっていく。 ※高石あかりの「高」はハシゴダカが正式表記