これぞヘビー級醍醐味!WBC王者ワイルダーが狡猾罠を張り右ストレート一発でオルティスを逆転KOしV10達成
因縁の再戦に完全決着をつけたワイルダーはリング上で挑戦者へのリスペクトを忘れずにコメントした。 「オルティスは他のヘビー級ボクサーとは違うんだ。彼と戦いたいボクサーはいないだろう。戦略的に動ける強敵。だからオレも動きを読みながら戦わねばならなかった。インサイド、アウトサイドとパンチの打ち方を変え、前後に動き工夫した。そして最後の最後に距離がとれた。その瞬間に一発見舞った。彼は世界でベストのボクサー。だから2度も挑戦のチャンスを与えたんだ。リングに上がってくれてありがとう。感謝している」 一方のオルティスは「これがボクシングだ」と笑って語り「倒れたときも意識はしっかりしていたし、審判が“7”と言ったのを聞いたとき、立ち上がろうとしたが、カウントは思ったより早かったんだ」と、少しだけ、そのレフェリングにクレームをつけた。 だが、オルティスが語る通り、これが長年世界中のファンから支持されてきたヘビー級のボクシングなのだ。 試合後、ワイルダーはリング上で次戦について尋ねられ「フューリーとリマッチをやりたい。スケジュール? 来年2月かな。その後は、統一戦。ヘビー級のチャンピオンは一人でいい。実力があることを証明したい」と、元3団体統一王者、フューリーとのリマッチを希望した。両者は、昨年12月に対戦。ワイルダーはダウンを奪いながらも、その巧みなアウトボクシングに苦労して三者三様の引き分けに終わり、全勝の記録がストップしていた。 欧州メディアのスカイスポーツによると、この日、フューリー陣営のベン・デイビソン・トレーナーが観戦に訪れ「オルティスは素晴らしいファイターだが、彼はタイソン・フューリーではなかったということだ。タイソンはワイルダーを100%苛立たせていたじゃないか。再戦が決まったら? そのプランを明かすことはしない。ただオルティスが今日見せた戦い方とは明らかに違うものになる。オルティスは良い動きもあったが、独りよがりで(相手の)距離に真っすぐに入っていった。それが(一発KO負けの)災難につながったのだ」との自信のコメントを残している。