派閥の政治資金問題で自民党が関係者処分決定へ
4月上旬に自民党の処分
派閥の政治資金問題では、事実関係の確認、自民党の関係者処分、政治資金規正法改正など、といった流れで政治改革が進められていくことが期待される。 しかし、派閥パーティ券収入の還流(キックバック)、不記載問題を巡る政治倫理審査会では安倍派幹部の発言が食い違うなど、実態が明らかにされず、第1のステップである「事実関係の確認」ができない状況が続いてきた。 そうした中、国民の政治不信の緩和を狙って、関係者処分を急ぐ動きが自民党内で強まっている。4月下旬の衆院補選を視野に、4月10日の岸田首相の訪米前の4月上旬に、自民党は関係者の処分を決める方針だ。 茂木幹事長は、政治資金収支報告書に記載した議員を処分対象にすることはない、と述べており、処分の対象となるのは、政治資金収支報告書に記載しなかったことが確認されている82人の現職議員と選挙区支部長3人の計85人となる。ただし、厳しい処分が下されるのは、そのうち安倍派(清和政策研究会)幹部となる見通しだ。 安倍派では、安倍元首相が2022年4月に、会長代理だった塩谷、下村両氏と事務総長だった西村氏、参院安倍派会長だった世耕氏を集めて、違法な裏金作りにつながる還流中止を指示したという。しかし、7月の安倍氏の死去後の8月にその4氏は対応を協議し、還流中止を決めなかった。 こうした安倍派幹部らについては、告発を受けて捜査した東京地検が不起訴と判断したため、もはや法的な責任は問えない。事務総長経験者である塩谷、下村、西村、松野、高木の各氏と、参院安倍派トップだった世耕氏の計6人は、いずれも衆参の政治倫理審査会に出席したものの、組織的な不記載への関与を否定した。さらに、2022年8月での協議の内容についても、発言が食い違ったままだ。 岸田首相は、「説明があいまいでも、党への影響がどうだったのかという点で処分の内容を判断するしかない」としており、事実関係が明らかにされなくても、処分を行う考えを示している。