AIは人種差別的? バズリ中の“卒業アルバム風フィルター”に潜む闇「体はスリムに、肌は白くなる」海外SNSで物議
今SNSで話題沸騰中の“卒業アルバム風フィルター”をご存知? 専用アプリを使うことで、自分の写真が海外風のレトロな卒業アルバムのように仕上がるというもの。Before→Afterのギャップを楽しむ人が多いけれど、一部ではAIによる写真加工プログラムが「人種差別的」「ファットフォビック(肥満嫌悪)」と指摘されている。
議論の発端となったのは、E.L. Shenというアジア系女性が投稿した1本の動画。彼女が“卒アル風フィルター”を試したところ「8回やっても青い瞳の白人女性になった」そう。これに対しコメント欄では「この手のAIフィルターは被写体の人種を変えがち」「私はメキシコ系だけどアジア系に加工される」などの意見が寄せられた。
またDraeという女性がこのフィルターを試したところ、実際の肌色よりもかなりトーンアップした写真が完成することが判明。彼女がこの結果を「これは誰?」とキャプションを添えて投稿すると、2800万回以上再生される大ヒットを記録。「もはや別人」「ドレスは素敵だけど、肌が白く加工されすぎている」と物議を醸した。
ほかにも、実際よりも痩せた姿に加工される点を「ボディシェイミング」と批判する人も。多様性やインクルーシブな姿勢が求められる今、AIが「肌の白く、スリムな人が美しい」というステレオタイプな価値観を学習しているのであれば、その偏ったプログラミングを早急に修正・アップデートする必要がありそう。トレンドや娯楽として何気なく享受しているものが、人によっては「外見やアイデンティティを否定される」体験となっている場合があることも覚えておきたい。あなたはどう思う?