展示会の木材廃棄ゼロを目指す エコプロ2024で 「展示会ブースの新構法」 を発表
なぜ、展示会で 「木工ブース」 がなくならないのか?
展示会のブース設計・デザインを専門に手掛ける SUPER PENGUIN 株式会社 は、2024年12月4日(水)から開催される 「エコプロ2024」 に出展し、「展示会ブースの新しい構法」 を発表する。 今回の展示会では、実際にブースをこの新構法で製作し、現在の展示ブースの環境上の課題、そして新構法の可能性について説明する。展示会ブースをつくる構法として多くを占める 「木工ブース」。 しかし、展示会後にはその木材のほとんどを廃棄してしまう、という環境上の課題がある。スーパーペンギンがデザインするブースのほとんどもこの木工ブースとなり、展示会後の廃棄にこれまで悩んできたという。 今回は、木工ブースの持っている利点を保ちつつ、木材廃棄量をゼロに近づける構法を 「製作途中段階の実際のブース」 で解説する。
展示会後に 「約8割の木材」 は廃棄される。
展示会ブースを構築する方法としては、大きく 「木工」 によるブースと 「システム部材」 によるブースがある。システム部材は使いまわしが可能であるため環境には優しいブース構成素材であるが、木工素材は展示会終了後にそのほとんど (約8割) を廃棄してしまうのが現状だ。年間の廃棄量の総量は低く見積もっても約2万トン。もちろん展示会の設営会社も、部材の再利用を図るなどの削減の試みを行ってはいるが、根本的な対策には至っていない。
なぜ、「木工ブース」 はなくならないのか?
木材廃棄量を削減するためには、「木工ブース」 を無くし、システム部材や段ボールなど、他の素材でブースをつくればいいのではとの考えから、従来から 「オクタノルム」 に代表されるシステム部材や 「ReBoard」 という段ボールを使用した 「木工以外のブース」 等が提案されてきた。もちろんこれらも今後増えていってほしいブース構築方法だが、スーパーペンギンによると、「今後も木工ブースがなくなることはない」 という。それは、ブースを作る際に、製作寸法を細かく設定できる 「寸法自由性」 とデザインの形状を整えやすい 「デザイン実現性」 が他の構法よりも優れている点が挙げられる。 これら単に好みのデザインを実現させるために有効なだけでなく、「ブースデザインによる集客戦略」 において重要な機能を持っているためだ。展示台や壁面のちょっとした寸法で集客が大きく変わる場合があり、このような緻密な設計には木工が最も適しているという訳だ。