田中圭の芝居がリアルすぎる…モラハラ夫”宏樹”の印象が激変したワケ。『わたしの宝物』第2話考察レビュー
宏樹の選択に「そうじゃないでしょ…!」と口をはさみたい!
子どもを産みたいのかという問いに、「わたしは産みたいよ」とまっすぐ伝える美羽。そこで宏樹は「2人で一緒に育てていこう」と言うのかと思いきや。 「美羽のことも子どものことも何もできない 何もできないというよりするつもりはない 俺に何も求めないでほしい──金で苦労はかけない それでいい? 父親の役目はできない ごめん」と口にする。 美羽にストレスをぶつける宏樹は、子どもにも同じことをしてしまうのではないかと恐れていた。だから育児をしない選択は、“守り”の意味もあるのだろうけれど。少し宏樹がわかってきた分、そうじゃないでしょ…!と、まるで近しい人間かのように口をはさみたくなってしまった。 本音はどうかわからないが、美羽にとっては願ったり叶ったりの状況ではある。だって、どんなセリフを吐かれようが、目の前の宏樹は本当の父親ではない。むしろ「父親の役目はできない」とはっきり言ってくれたから、美羽の罪悪感もほんのちょっとだけ薄らいだのではないか。
次回、冬月が帰国する…。
宏樹という人間がつまびらかになり、共感性が高まったことでさらに残酷さを増す「托卵」という事実。忘れてはならないのが、もう1人の当事者、冬月の存在である。 ピュアでまばゆい映像と冬月の爽やかさで錯覚しそうになるが、美羽と冬月は不倫関係。回想で「日本に大切な人がいるんだ、その人と一緒になる」「いつか紹介する」と同僚に話していたあたり、冬月に不倫の自覚があまりなさそうなのが気になるところ。 第2話のラストでは、ついに美羽と冬月の子どもが生まれる。子どもを抱き、感動と葛藤と、父性が溢れて泣きじゃくる宏樹。そして予告には、日本に帰国する冬月の姿…。ああ、第3話も存分に感情を揺さぶられるのだろう。 【著者プロフィール:西本沙織】 1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
西本沙織