死刑囚役に挑戦した橋本良亮「作り手や受け手の予想を超えて、圧倒できる存在になっていきたい」
「僕、成長できてました?」って聞いてみたい
――緊迫したシーンの多い作品ですが、撮影現場の様子はいかがでしたか? 橋本 正直に言うと、キャスト同士で楽しく会話をする雰囲気ではなかったです。なので、すごく緊張したんですが、その緊張感が必要だったのかもしれない。はじめましての方が多かったんですが、(大渕の元愛人を演じる)斉藤由貴さんとは以前、舞台(『良い子はみんなご褒美がもらえる』)で共演させていただいて。すごく気さくで素敵な方なので、愛あるお叱りも率直にくださるんですよね。でも、今回はそういったことはなく。その真意は聞けていないんですけど、ちょっと嬉しかったです。聞きたくないけど、聞いてみたいですね。「僕、成長できてました?」って。 ――桐谷健太さんとも、お芝居を密に交えるシーンがありますね。 橋本 作品にとっても大事なシーンですし、何度も台本を読んで練習しました。なんとか食われないように、逆に僕が食ってやるくらいの意気込みで。そもそも、こんなにもお芝居の上手な皆さんの中に僕が入るって、相当なことじゃないですか。なので、気合いを入れましたし、どう戦うかをすごく考えました。今までで一番悩んだ作品かもしれないですね。だからこそ、僕を知らない方にも「いい芝居をするな」「もっといろんな作品に出ればいいのに」と思われたい。できていたかどうかは分かりませんが、それくらいの自信でやりました。30代になって1本目のドラマですし、この経験を大事にしていきたいですね。 ――30代の展望も見えてきましたか? 橋本 この作品では特に、表情の勉強をさせていただいたなと思います。これまでも映像は表情で芝居をし、舞台はオーラや覇気で芝居をするという考えがあったんですが、それをより一層感じる撮影でした。あと、僕の場合、舞台ではわりと激しい役を演じることも多いんですが、ドラマではあまりなくて。表現についてより学べた分、感情を露わにして叫んだり、目で殺したり……といった役もやってみたいなと思いました。複雑な役も好きですしね。とにかく、いろんな作品に挑戦していきたいし、その中で求められるものを超えていきたい。作品の作り手に対しても、受け手となる皆さんに対しても、予想をさらに超え、驚かせ、圧倒できる存在になっていきたいです。 取材・文:渡邉ひかる ■WOWOW『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』 毎週日曜午後10時よりWOWOWプライム、WOWOW4Kで放送中(全5話) WOWOWオンデマンドで第1話無料配信中