来季WRCフル参戦のトヨタ勝田貴元、開幕戦モンテカルロから「間違いなくマシンに自信を持って戦える」
2024年もTOYOTA GAZOO Racingから世界ラリー選手権(WRC)に参戦することが決まった勝田貴元は、開幕戦ラリーモンテカルロから自信を持って戦えるはずだと意気込んだ。 【ギャラリー】日常が非日常に! WRCラリージャパン2023 WRCの2023年シーズン最終戦ラリージャパンから一夜明け、トヨタは2024年シーズンに向けたチーム体制を発表。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組と勝田/アーロン・ジョンストン組がフルタイムでの参戦。2度のWRCチャンピオンであるカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は、8度のWRC世界王者セバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組と3台目をシェアすることになる。 勝田はトヨタのWRCチャレンジドライバー育成プログラムを通じ、2020年からWRCでコンストラクターズポイント対象外の4台目を走らせてきた。2023年は全てのラリーにGRヤリス Rally1で出走しながら、オジェの参戦しないラリーはファクトリーチームの一員として3台目を走らせたが、来季は全戦ファクトリーチームからの参戦という、“勝てる体制”で2年目のシーズンに臨むこととなる。 「TGR-WRTで新しいシーズンを始められることを嬉しく思っています」 発表に際して、勝田はそうコメントを寄せた。 「今年たくさんの学びがありました。自分にとってうまく行ったラリーもあれば、うまく行かなかったラリーもありましたが、それら全てが今後のためになり、より強くなれたと思っています」 「来年は自分の力を証明する重要な年になります。これまでのキャリアにおいて最高の年にできるように頑張ります。チーム、そして私をサポートしてくれたすべての方に本当に感謝しています」 「2015年にTGR WRCチャレンジプログラムに参加して以来、一歩一歩経験を積むことができる素晴らしい機会をいただきました。来年は次のステップとして、さらに良い結果、表彰台、優勝を目指して戦います」 勝田はラリージャパンで来季へ向けた自信を訊かれた際、開幕戦ラリーモンテカルロと第2戦ラリースウェーデンからスピードを発揮できるはずだと答えた。 「今年もモンテカルロのステージタイムはかなり良かったですし、自信も感じられました」と勝田は言う。 「全てのラリーで今回のような自信をマシンに対して感じることができるとは言えませんが、マシンなど全てに対して最も自信を持って信頼して戦えるラリーなのは間違いありません」 「もちろん、今年のスウェーデンでもかなり良いペースがありました。スウェーデンは直近で良いリザルトを獲得できる最大のチャンスのひとつになると思います」 母国戦となった今年のラリージャパンで勝田はDAY2でクラッシュにより後退を強いられたものの、10回のステージ優勝を記録(救済タイムで最速のSS9を含む)。最終結果では総合5位と表彰台を逃したが、2024年に向けて弾みをつける1戦となった。 チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラも、2024年シーズンに向けて勝田の“覚醒”には勇気づけられたとして、全戦で表彰台争いを展開できるポテンシャルがあると太鼓判を押した。 「彼は本当にいいスピードを持っている」 ラリージャパンの際、ラトバラ代表はそう語った。 「ポテンシャルがあることは分かっているし、今の彼はそのポテンシャルを十分に発揮していると思う。それが2024年に向けて私に自信を与えてくれる」 「シーズン後半戦と同じような仕事を続けることができれば、来季はほとんどすべてのラリーで表彰台を争うことができると思う。それが次のステップだ」 「少なくとも、彼が力を発揮している姿を見ることができるのは心強い」 また、来季は勝田をWRCタイトル候補としてプッシュしていくのか? と質問が飛んだ際にラトバラ代表は次のように答えた。 「キャリアを通して彼をプッシュしてきた。彼は経験を積んで、共に前へ進んでいる」 「今年はイベントによって3台目に乗ったが、(フル参戦となる)来季はより重要な役目を負うことになる」
滑川 寛