板橋区がハトの餌やり禁止条例を制定 最大5万円の過料
東京・板橋区でハトへの餌やりを禁止する罰則付きの条例が制定されました。2025年4月に施行されることになり、ハトのふんによる被害に悩まされてきた住民からは歓迎する声が上がっています。 板橋区内にある志村三丁目駅近くの公園には10年以上前から一部の住民が餌を与えることでハトが集まるようになり、近隣の住民はふんによる被害に悩まされています。取材したこの日も公園のすぐ脇の電線には大量のハトが並び、道路には大量のふんが付着していました。 ハトの被害に遭ったという区民らは「洗濯物が困る。ふんみたいなものが付いたりする。何とかしてほしい。誰かが餌を与えているというのは聞いたことがある」「洗濯ができないので大変。管理者に言っても『団地で処理してください』と。みんな困っているという話はしているが、なかなかうまくいかない」などと話します。 住民たちが生活環境の悪化に不満を募らせる中、取材を進めると、多くのハトが集まる女性がいました。普段から餌を与えているのか尋ねてみたところ、女性は「(餌やりは)前はね」と話し「こんなに人が通るのに、私が来ただけでこんなにハトがついて来る」と語りました。また「最近は餌はやっていないのか」と尋ねると「最近はたまにあげているが、周りの人が迷惑していると言うから」と話した上で「ある時、誰かが警察に連絡した。それで警察官が来て『板橋区はハトに餌をあげてはいけないという条例はないが、ふん害で迷惑している』と注意された」と話しました。 こうした状況を受け、板橋区は区議会にハトの餌やりを規制する条例案を提出し、10月の本会議で全会一致で可決されました。板橋区・環境政策課の河野雅彦課長は「ハトへの餌やり、特にふん害などによって公共の場や公園などが汚れるということで、非常に環境への悪影響が生じているという区民からの声が多かった。ハトへの餌やりによる生活環境の悪化が区内で続いている中で、被害防止条例を制定した」と制定の背景を説明しました。条例は2025年4月に施行され、指導に従わない場合、最大5万円の過料が科されるようになります。 条例制定に対し、ハトの被害に悩む区民らからは「餌をやっている人がいれば(過料を)取らないとなかなかやめられないかもしれない」「やってほしいね。気分を害さないようにうまく話してもらえると助かる」といった声も聞かれました。 板橋区は餌やりをする人に対し条例の趣旨を丁寧に説明し、理解を求めていく方針です。板橋区の河野環境政策課長は「公共の場所でハトへの餌やりを行うこと・ハトへの餌やりによって被害を公共の場所に生じさせることを禁止し、生活環境を改善し高めていきたい」と話しています。