「継ぐつもり、全くなかった」臨床心理士の女性が、父の野菜加工会社を承継した理由 社長就任で「メンタルが驚くほど変わった」
◆社会にニーズがあれば、会社は生き残る
ーー事業承継されてまだ短いですが、いずれ應和社長ご自身が「承継する側」になることはイメージできますか? 会社を任せる先が自分の子どもだったとしてもそうでなかったとしても、その人が心から「継ぎたい」と思うまでは継がせないと思います。 小手先の戦略や戦術で会社を残すこと自体はそう難しくありません。 ですが、私自身はそこまでして会社を残していくことには意味がないと思うんです。 私は今、本当に世の中のためになると思ってパウダー野菜の事業に注力しているのですが、もしうまくいかなかったときは、それは社会にとって必要がなかったんだなと思うはずです。 私のビジョンや考えが世の中にとっての正解なのであれば、自然と生き残るでしょうからね。 そうして生き残っていった先に、私以上にビジョンを持って、違う発想で社会に貢献できることをやりたいという方が出てきたら、私は「どうぞお願いします」と言うと思います。
■プロフィール
料理人として20店舗ほどの飲食店を経営していた前代表の小原秀樹氏が、地元の余剰野菜や規格外の野菜を買い取り、主に学校給食用にカット加工して販売する株式会社村ネットワークを2005年に創業。その後、野菜の栄養やおいしさをパウダー状に加工する野菜パウダーの開発を企画。出産後数カ月で家業に入った應和春香氏は、野菜パウダーの開発を託され、開発責任者を任されるように。無添加で100%野菜の素材だけで加工したパウダーが完成。應和春香氏は、2023年12月に代表取締役に就任。
取材・文/川島愛里