痛恨のPK失敗、無念の負傷交代。井上太聖の新たな決意「順天堂大と鳥栖のために、自覚と責任を持ってもう一度やっていきたい」
日比監督と周りに感謝の気持ちを抱きながら
「順大で今季初めてチームの全体練習に入ったのは6月の中旬が最初でした。その状況でも起用してくれた日比監督には心から感謝しています。怪我をしてから治療も鳥栖で専念してやらせてくれたことは、本当に感謝しかありません。日比監督から『ずっと鳥栖でやっていることを順大に還元してほしい』と言われ、それに応えようと臨んでいたのですが、最後は僕のせいで負けてしまった。本当に悔しいし、申し訳ない気持ちでいっぱいです」 もちろん彼1人のせいではないが、責任は人一倍感じていた。大会後、再び鳥栖に行かせてくれる日比監督と周りに感謝の気持ちを抱きながら、井上は新たな決意を抱いていた。 「この大会で順天堂大に対する気持ちは本当に強くなりました。同時に鳥栖でも特別指定をいただいて、ずっと帯同させてもらっている身でありながら、鳥栖にも貢献できていない。順天堂大と鳥栖のために、自覚と責任を持ってもう一度やっていきたいと思います」 両方大事にしてやっていくことに腹を括ることができたタイミングでのJ1デビューだっただけに、その覚悟は相当だったはずだ。結果として負傷交代という状況になってしまったが、何度も苦しい思いをしながらも這い上がっていくだけのメンタリティと、積み重ねてきたものが井上にはある。 この出来事をさらに自分の成長のきっかけにして、さらなる飛躍をしていく姿を見せてくれることを、筆者を始め周りは信じている。 取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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