両陛下、能登豪雨被害の輪島を訪問 被災住民と面会、状況尋ねる
天皇、皇后両陛下は17日、能登豪雨で大きな被害を受けた石川県輪島市を訪問された。犠牲者の出た地区に足を運んで黙礼し、避難所で住民を見舞った。両陛下は元日に発生した能登半島地震でも3、4月に奥能登地域を訪れており、今回で3度目となった。 【写真特集】天皇、皇后両陛下が被災地・能登半島を訪問 両陛下は特別機で能登空港に到着後、馳浩知事から被災状況の説明を受けた。その後、川の氾濫で中学3年の喜三(きそ)翼音(はのん)さんら4人が犠牲となった久手川町に足を運んだ。両陛下は流された住宅の基礎部分や家財道具などが残る現場で、坂口茂市長からの説明を沈痛な表情で聞いた後、深々と頭を下げて黙礼し、犠牲者を悼んだ。 30世帯51人が避難生活を送る市立輪島中では被災した住民と面会した。椅子に座って出迎えた住民の前で腰をかがめて被災状況や現在の生活などを尋ねた。元日の地震で自宅が全壊した吉岡久美子さん(70)は、避難所を経て入った仮設住宅が9月の豪雨で浸水したため、再び避難所に身を寄せることになったと説明した。両陛下は話に聴き入り、「つらかったですね」と声をかけていた。吉岡さんは面会後の取材で「温かい、優しいお人柄でした」と笑顔を見せた。また、皇后雅子さまから「生活は少しは落ち着かれましたか」と尋ねられた高齢の女性は目に涙を浮かべていた。 坂口市長は両陛下が3度、奥能登地域の見舞いに入ったことに「二つの大きな被害を受けた人々に配慮し、お越しいただいたことは励みになる。しっかり復興していかないといけない」と話した。【高島博之】