最近、よく耳にする「チャットGPT」などの「生成AI」。利用者が広がりを見せるなか、文科省は4日に教育現場でのガイドラインを公表した。そこで今回、バンキシャ！キャスターの桝太一が、実際に授業でチャットGPTを使っているという高校を取材。さらに街でも聞いてみると、意外な使い方を試している人がいた。 　　　　　◇ 7日、桝は、長崎県立長崎北高校を訪ねた。日頃からチャットGPTを使っているという生徒に話を聞いた。 ──（桝）これ今、何やってるんですか？ 生徒 「今度ある文化祭の劇の台本を書いています」 ──劇の台本？ 生徒 「コメディーと恋愛をまぜたものを書こうと思っています。シンデレラをベースとした『ツンデレラ』というもの」 ──めっちゃ面白そうだね。タイトルからして面白そうだね。 チャットGPTにアイデアをもらいながら、脚本作りをしているという。 ──質問が面白いなと思ったんですけども。恋愛物語を書く上でやってはいけないこと、絶対にやらなければならないことを、理由を含めて聞いたんだね。これ、ちなみにやっちゃいけないこと、何でした？ 生徒 「やっちゃいけないこと。登場人物の関係性が健全ではないとか」 ──これは、返ってきた答えを、言われた通りにするの？　それとも…。 生徒 「参考程度ですねやっぱり。これって本当なのかなみたいなことがあったら、自分がやりたいようにやりますし、クラスのみんなの意見を聞いてからやりたいと思います」 一方、別の生徒は…。 ──詩集とチャットGPTを同時に並べてるんですけど、僕の中で全然つながらないんですけど、何をやってるんですか？ 生徒 「僕は今、チャットGPTと詩に対する感想の討論をしています。チャットGPTとして論理的にどのようなストーリーがあったり、メッセージ性があったり、そういうのが気になって」 詩人・三好達治の作品をどう分析するか、チャットGPTと討論していた。「乳母車」という詩について、作風を加味して考察しなおすよう打ち込むと、チャットGPTは、この詩を単純に厭世（えんせい）的ととらえることはできないと回答。 ──なんでこの使い方を思いついた？ 生徒 「自分の周りにこういう三好達治とか、古い人なんですけど、詩集とかなかなか読んでる人いなくて、論理的に答えてくれるというのも魅力的だと思います」 さらに、2年生の英語の授業では。 先生 「じゃあ、実際に作ってくれた原稿（生徒が作った英文）を、チャットGPTに流してみたいと思います」 ──授業でリアルタイムでチャットGPTを使うんですね。 生徒が作った英文をよりわかりやすくするため、チャットGPTを利用していた。 ──回答がバーッと出てきました。 生徒たちは、単語や表現についてチャットGPTからアドバイスをもらいながら、英作文を完成させた。 今年5月から始まったというチャットGPTを使った授業について、教師に、今、感じていることを聞いた。 上村洸貴教諭 「おそらく伸ばさなければならない力の一つは、チャットGPTを使いこなす力。質問力になってくるんじゃないかと思います。自分が求めている答えを出してもらうにはどうすればいいか。いろんな質問のパターンを条件付けするであったり、出力の仕方を変えるであったり、試行錯誤するなかで質問力を高めていく必要があるんじゃないかなと」 ──今年はどんな夏休みの課題を出しますか？ 上村洸貴教諭 「一ついま考えているのは、自分の学びに役立つ世界最高の質問を考えて来なさいという自由研究を出そうかなと思っています」 　　　　　◇ 一方、バンキシャ！は、東京でも、人々がチャットGPTをどう使っているのか調査。7日、吉祥寺で出会った高校2年の女子生徒は、チャットGPTをどう使っているのか。 女子生徒 「眠れなかった時に、よく眠る方法とか調べると、なんか教えてくれたりするので」 ──どういう反応が返ってきました？ 女子生徒 「ヒツジを数えるとかもあるし。こういう成分をとった方がいいよとかもあって」 ──実践したものありますか？ 女子生徒 「ヒツジは数えて寝ました」 ──眠れました？ 女子生徒 「はい」 ──何匹ぐらいまで？ 女子生徒 「30匹は数えました」 そう言って彼女は笑った。チャットGPTが勧める方法で、眠りにつくことができたという。 3歳の息子がいるという母親にも聞いてみた。 3歳児がいる母親 「子供が遊びたい、遊びたい、YouTubeが見たいと、ご飯を食べないときに、『3歳児がごはんを一番早く食べる方法を教えてください』というふうに使いました」 その回答は──。 3歳児がいる母親 「3歳の子供はまだ先のことが読めないので、ここまでで終わりにしようねと内容を伝えた上で、ここから先はご飯だよと明確な数値を見せて提案しましょうと書かれていて、『はい、納得です』という感じになりました」 この時間まで遊んでいいけど、その後はご飯と伝えると、食べてくれたという。 普段からチャットGPTを使うという大学4年生の女性は、この日、「ずっと気になっていた」ある質問をしたという。 大学4年生 「彼氏と口げんかしたときに、解決するにはどうしたらいいかって」 気になる回答はこちら。 大学4年生 「中立的な立場というか、複数の選択肢をあげてくれて」 チャットGPTの画面には回答がいくつも並んでいた。 ──お勧めの一文ありますか？ 大学4年生 「『解決策を見つける』。お互いの要求や希望を話し合い、妥協点を見つけるように努めましょう。これはめちゃくちゃ大事です」 そう言って彼女は声を立てて笑った。 バンキシャ！は、今年3月ごろからチャットGPTを使っているという会社員にも話を聞いてみた。その使い方は、ちょっと意外だった。 会社員 「おなかがいっぱいになったら眠くなる曲、作られへんかなって。チャットGPTに歌詞を書いてもらいました」 その歌詞がこちら。 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ （イントロ） お腹いっぱい　ご飯を食べたら 幸せな気持ちで満たされてる でもいつものようにやってくる 眠い時間　さぁ、寝る準備 （サビ） ごはんいっぱい食べたら 眠気がやってくる 満腹のお腹と共に 平和な時間 夢の中へ誘う 落ち着く眠りへと 甘いベッドに横たわり 眠りにつくの ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ これに、友人が曲をつけてくれたという。 ──一番響いた歌詞ありますか？ 会社員 「甘いベッドに横たわり眠りにつくのとか、よー出てくんなって思いますよね」 （7月9日放送『真相報道バンキシャ！』より）